らくだい魔女と星のハーモニーpart３

消えた記憶と最悪なショータイム ページ25

キラside


「あ……！」


あたしの手をかすめて、倒れていくサク。


朱色の髪がふわりと揺れる。


「今、何したの…？」


すると、ジェットがクスクス笑い出した。


「記憶を消したのよ。」


「記憶を……？」


「そう。だんだん呪文を忘れていき、最後には魔法が使えなくなるのよ。一種の呪い」


「そんなっ！」


そんなの、魔法が使えないなんて、魔法界では生きていけない。


記憶を、返してもらわなきゃ！


「返さないわよ。」


「！」


また、考えを読み取った！


「今、頭の中でエラーを起こしてるわ。クスクスクス……面白い！」


ジェットは笑って、手のひらにある球体を出した。


淡い光を放つ球体。


＿＿＿まさか！


「その通りよ。姫君。これは妖精使い、サクの記憶。」


「返して！！」


「イヤよ。この記憶を、私にコピーしたら、私にも使えるのよ！」


そんな。


最初から、それが目的？


「あなたの記憶も、いつかやりたい所だけど。王はあなたの力をいけにえにしたいから」


「サクの記憶を、返してよ」


あたしは、そう言った。


許せない。


許したくない。


「さぁ、ショータイムの始まりよ。プリンセス」


すると、ひどい頭痛がして、あたしは静かに倒れていった。

『頼れよ』→←忘却

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