ジカルニドの過去 ページ32
☆サイドフウカ☆
人生には、絶望しかない。
その言葉が頭の中でこだまする。
そう言っていた、当の本人は、苦しそうにうつむいた。
何…?
ジカルニドには、何かあるの…?
「どういうことよ」
「希望なんかない。君も、すぐに分かる」
ジカルニドは、ぽつりぽつりと、話し出した。
「ボクはね、何度も裏切られたよ。信じていた人にね」
「え……」
「ボクは、魔界で産まれたんだ………。
でも、産まれた瞬間、捨てられてさ。
ずっと孤独の中生きてきた。
誰か、助けて。
何度もそう思ったけど、誰も助けてくれない。
だから、あきらめた。
でも、そんな時、一人の男が現れた。
名前は、忘れたけど、
その人は、ボクを引き取ってくれて。
ボクは、幸せを感じていた。
これが、希望。
その人は、希望を教えてくれた。
けど、そいつは、ボクを捨てたんだ。
信じていたのに。
この人なら、ボクに希望をくれると思ったのに。
そいつは、いきなり消えた。
ボクを残して。
心の中には、絶望しか残らなかった。
もう、何も信じない。
希望なんかない。
この世界は、
絶望しかないんだから」
ジカルニドは、冷たく言い放った。
そんな過去があったなんて。
「悪魔はいいね。
自分の好きな風に生きれる。
さあ、君も楽になろうよ。
そんなトモダチゴッコなんかせずに。
君の力は、ボクたちにこそふさわしい。
さあ、ささげるんだ。
火の民の、魔界の、その壮大な力を!」
「なんですって?トモダチゴッコ?力をささげろ?ふざけるなっ!」
そう叫ぶと、周りから火と風が起きた。
力が湧き上がってくる。
「さすが、魔界の王の力、欲しい、欲しい!その力!」
大きく笑うジカルニドを、あたしはキッと睨む。
「ささげるわけないでしょっ!
あたしにもし、魔界の王の血が流れていても!
あたしは、銀の城の姫、フウカ!この事実は、変わらない!」
あたしが言うと、チトセが立ち上がる。
「そうだ…、フウカは、特別じゃない。ただのバカなんだ!」
うわ。チトセちょー失礼。
「とにかく!フウカはフウカ!お前に何かいわれる筋合いはない!」
カリンとカイも立ち上がる。
「フウカちゃんは私の親友よぉ!何か言ったらこの私が許さないわぁ!」
「オイラの自由を奪うのはやめてほしーかなぁ〜」
「そこ!1人だけ話がズレてる!」
調子が出てきた所で、あたしはジカルニドを指差す。
「ジカルニドっ!アンタはあたしが倒してあげる!」
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みかん(プロフ) - うん、どーいたしまして。 (2020年8月24日 17時) (レス) id: 25d3ac3089 (このIDを非表示/違反報告)
山形みるく(プロフ) - みかんさん» あはは☆ありがとう♪ (2020年8月23日 19時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ホントのことじゃん! (2020年8月23日 15時) (レス) id: 25d3ac3089 (このIDを非表示/違反報告)
山形みるく(プロフ) - みかんさん» そんなの照れちゃうよっ! (2020年8月23日 6時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - みるちゃん、やさし〜! (2020年8月22日 11時) (レス) id: 25d3ac3089 (このIDを非表示/違反報告)
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