2輪の桜 ページ4
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「新入生代表、降谷零!」
「はい!」
入学式の最中、新入生代表、つまり首席の人はここへ来る時に見た金髪の人だった。
首席ってことは座学も実技もできるという事だろう。すごい。
ただ、話がすごくつまらない。
入学式だし堅苦しい文章になるのは仕方のない事なのは分かっているけど暇すぎる。
PTAの人並みにつまらない。こんなこと言ったらPTAの方に失礼だけど。
「咲良ちゃん暇そうだね。」
「うん、昔からこういうのは苦手で……」
「だよね〜 俺もこの時間すっごい嫌い。陣平ちゃんなんて爆睡してるし」
と言いながら笑う萩原くん。
私の隣に萩原くん、その奥に松田くんがいるのだがほんとに寝ているようだ。
話し相手がいるだけよかった。
「……しりとりでもする?」
しりとり、それは言葉遊びの一つであり、あくまで低学年向けに作られたものである。
こんな成人して2年も経っている大人がやるような遊びではない……のだが。
「そうだね。じゃあ俺から、り……リス」
まさか了承するとは思わなかった。
「え、じゃあ……スリ」
「物騒だね」
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作者名:邪月 | 作成日時:2021年9月9日 17時