会いたくなかった ページ18
――何で…会いたくなかった
いくら変装していても、そのスタイルの良さは隠しきれない
ただ壁にもたれかかってるだけなのに
モデルがポーズを決めているよう…
思わず後ろを向くけど、そこは行き止まり
横はさっき出てきたトイレ
どうやっても彼の横を通らなければ進むことは出来ない状況
驚いて少しずれた眼鏡を元に戻して
前へと進むことを決心する
チャンミンはまだこちらを見ていない
視線を合わせなければいい
俯いたまま足早に進めば気づかれないかもしれない
そう信じ
前へと足を運ぶ
彼の横をちょうど通り過ぎて
安堵の表情を浮かべた時だった
CM「―――ごめん」
突然声がして思わず彼の顔を見てしまった
CM「この前は…ごめん。言い過ぎた」
「――……。ううん、私の方こそすみませんでした。」
CM「!?……ここにいる事、透子さんは…」
やっぱり透子さん…
「知ってます。じゃぁ連れが心配するんで戻ります」
CM「ちゃんと食べてるか？」
「――ご心配なく…」
軽くお辞儀をしてからその場を離れた
あ゛あぁ〜もう飲みなおそう
このモヤモヤする気持ちをお酒で洗い流したい
みんなのいる部屋のドアを開けて入ろうとした瞬間
背後にチャンミンがいるなんて気づかなくって
手首を掴まれ、チャンミンまでもが部屋に入ってきた
「ちょ…ｯ」
みんながキョトンとした表情で彼を見ている間
チャンミンは何食わぬ表情で部屋の中にあった私の鞄を見つけると
それを持って
CM「すみませんが酔ったようなので帰らせます」
「は?!ちょ…っ」
店の外に出るとすぐにタクシーを拾って
連れて来られた場所は…
「ちょっと…っどこに！？」
CM「宿舎」
「は？今は無理です！」
今はまだあなたの言葉に耐えられる自信がない
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作者名：ユル☆
| 作成日時：2018年3月15日 16時
