笑顔が消える瞬間 ページ17
それから
話題はそれぞれ共演者に対しての愚痴やテレビ局の問題児の話
そしていつの間にか
男性は男性同士で女性は女性同士でのトークに花を咲かしていた
やっぱいいな
同年代！
女「Aって髪どこでやってもらってるー？あたしがいつも行ってたとこ担当が辞めちゃってダメなの」
「あー担当変わるとダメだよねー。私はねー…」
男「そういえばAって東方神起と付き合ってんだってー？」
男「おっそうだ！あれってマジなわけ？」
話に割って入ってきた男性陣の質問に
せっかく忘れていたことを思い出さされた
「――ただの友達〜。日本の男でも面倒なのに、わざわざ外国人と付き合うわけないじゃん！次なに飲もうかな〜♪」
やっぱ空きっ腹にビールとか
やばいな…
でも食べる気にはやっぱりなれないし
男「なんだ。つまんねぇ〜」
女「そういえば、さっきトイレに行く時すれ違った人達が東方神起の誰かがいたーって騒いでたよ」
「え…」
男「俺挨拶しといた方がいいかな？結構話題性あるよなー」
「あははは…確かに話題性はあるかも(苦笑)」
やだな…
せっかく忘れたくてココにいるのに
二人の話はしないで…
男「うちの事務所にも韓国のアイドルが入ってきたって連絡あったよ」
女「そうなんだー」
男「俺のとこもいるよ。メンバーの中に日本人もいるって話だったなーまだ会ってはないんだけど」
胃が痛いし気分悪い
ちょっとこのままじゃまずいかも…
「私もちょっとお手洗い(苦笑)」
トイレにつくと
結局、今まで飲んだものが全部流れ出た
「あぁ…もったいない」
せっかく高級ワインもおごってもらったのに…
「はぁ」
溜息をつきながら鏡に映った自分の顔に
更に溜息が出た
こんな顔して私みんなと飲んでたの？
明らかに顔色が悪い
持ってきた化粧ポーチを開けると
少し厚めにメイクを直し
笑え、笑おう…
笑顔の演技なんて女優の私にはお手の物なんだから
笑顔を作ってから
廊下に出た
すると
狭い通路の壁に背をつけて立っている人物に
せっかく作った笑顔はすぐに跡形もなく消えた
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作者名：ユル☆
| 作成日時：2018年3月15日 16時
