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「…で、なにしてんの?」


また同じことを聞いてくる男。


あ、…この人ピアスあいてる…


何個あいてるんだろう、どんなピアスをつけているんだろうと耳を眺めていた。


「…い…おー……おい!!」


「わっ!?」


急に大きな声を出されてびっくりする。


「俺の顔になんかついてる?」


更に顔がさっきより近くにあって反射的に後ろに退る。


「あっ、ごめんなさい。耳の、ピアス見てました…」


あ、 ぼーっとしてました って言えばよかったかも。


「ふっ、!!…お姉さん面白いね」


「や、そんなことないと思いますけど…」


なんか笑われたんだけど。


「実はね、俺ここにもピアスあいてんの」


「?」


そう言って黒いシャツの襟をグッと引っ張る男。


「あっ、鎖骨…チェストピアス、ですか?
かわいい…」


左の鎖骨の上にピアスが。


「お、詳しいねー」


口角を上げて言ってシャツを整える。


「実は、私もピアス結構あいてるんです。
右耳に7個、左耳に8個と…あとへそピもあいてます笑笑」


普段は髪で隠れている左耳の髪をよけて、顔の角度を変えて見えやすいようにする。


「えっ、マジで!!笑笑」


そう言って右耳と左耳を近くで見るこの人。


「おぉ、すごい安定しにくい場所にもあけてんのな。綺麗じゃん」


喋る度に息がかかってくすぐったいけれど我慢。


「…お姉さん、髪も派手だしバンドかなんかやってる?」


「いえ!!ファッションブランドの商品開発やってます…笑笑」


意外な答えにぽかーんとするお兄さん。笑


「えっ、そんなに緩いの?笑笑」


「私の親友のお父さんが職場の社長さんで、基本的に緩いんですけど特に私はすっごい緩いから調子乗っちゃってます笑笑」


あー、なるほどね と頷くお兄さん。


「外で立ち話もあれだし、うちの店来なよ」


「店…?
わかりました!!どれぐらいかかりますか?」


「5秒かかんないよ。だってすぐそこだし」


と言ってお兄さんが指さした方を見ると2階建ての黒を基調としたシックな店があった。


先程叶汰を振った店 Charme の隣に空き地がありその隣にあった。


「わ、めっちゃ近い笑笑」


「だろ?」


黒いドアに金色のプレートが釘で打ち付けてあり、黒の文字で Black Amour(アムール) とあった。


「あ、…どっちもフランス語」


「ん?どっちもって、なんのこと?」


お兄さんは首を傾げた。


「それも含めて私がここでなにをしていたか話しましょ!!」


_________
Amour=愛、愛情

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作者名:麻香 | 作成日時:2018年8月12日 21時

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