私が知らない世界。 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:578 hit

3 ページ3

「はぁ～っ…よし、今日はこれで大丈夫!」

私は大きく伸びると澪桜が早く早くとせかすように体を揺らしている。

「そんなに嬉しいの?他人事なのに笑」

「他人事じゃないよ!!大親友のAのことだもん!笑」

「はいはい」

私は帰る支度をしてまだ残っている他の社員に挨拶をして澪桜と一緒にオフィスを出た。

＊

オフィスから出て少し歩いたところで叶汰に電話をかける。

「あ、もしもし?叶汰」

よかった、すぐ出てくれた。

『お、ど…し…?』

けど、後ろがうるさくて叶汰の声がちゃんと聞き取れなかった。

「叶汰?ちょっと後ろうるさいんだけど…
今どこにいるの?」

私は眉をひそめる。

『…り、今…きでさ!!ち…と待ってて!』

「うん、わかった」

少し待っている間に澪桜がジャケットの裾を引っ張って、

「どうしたの?」

と聞いてきた。

「後ろがうるさくて叶汰の声がちゃんと聞き取れなくて…どうやら駅のホームにいたっぽいし多分移動してるんだと思う」

「あぁ～…なるほどねー」

『もしもしA?』

耳に叶汰の声が聞こえてくる。

「ごめんね、ちょっとタイミング悪かったかも」

『いや、気にすんな!!
で、どうした?なんかあった?』

「私達今日で付き合って5年だから、なんかお祝いしたくて…夜ご飯とかどう?」

『お、言われてみればそうだな!笑

うーん…今取引先の会社から俺の会社の近くの最寄り駅まで着いたところで、この後もちょっと仕事残ってんだよね。
んー、7時半ぐらいには会えると思う』

2時間か…大変そう。

「わかった。じゃあ、私の家でいい?」

『ん、おっけ。外食よりもお前の手料理食べたいところだったから丁度いいな!!
時間前後したらごめんな?また時間近くなったら連絡するわ』

「うん、仕事頑張ってね?待ってるから」

『ありがと』

そう言って電話を切る。

「どうだった?」

「まだ仕事残ってるから7時半ぐらいに私の家来るって」

微笑みながら澪桜に言う。

「そっか!!じゃあ、暇潰しにプレゼント買いに行こうよ!」

あ、確かに。いいかも…

「そうだね。いろいろ探してみよっか」

「よーし、早速しゅっぱ～つ!!」

久々に叶汰へのプレゼント選びでなんだかワクワクしてきた。