ある日、お姫様に拾われた件について

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お昼ごはんって言ったよね？

アーティとも一緒にご飯が食べられるのかな？


外に行けばルーカスが本棚に背を預けて待ってくれていた

















ﾙｰｶｽ「中に何があったんだ？」

『えへへ』

ﾙｰｶｽ「随分嬉しそうだな」

『私が？』


















私が笑みをこぼせばルーカスはフイっと顔を逸らした

その顔は少し赤かった気がする



















ﾙｰｶｽ「初めて会った時の暗くておどおどした顔より今のほうがいいと思うぞ」

















初めて会った時……？

さっきよりってことかな？


外に行けばフィリックがいた

















ﾌｨﾘｯｸｽ「図書館の見学はいかがでしたか？」

『すごく広くて時が経つのも忘れてました』

ﾌｨﾘｯｸｽ「陛下のご要望で食事の準備をしております。
　 少しお時間がかかると思いますので、お待ちの間に一つだけ頼み事が
　 あるのですが……」

『頼み事？』

ﾌｨﾘｯｸｽ「これを陛下のお部屋までお持ち頂けますか？
　 執務室は上の階の階段から二つ目の部屋でございます」



















少し複雑だったがさっき感じたお父さんの魔力を辿っていけば辿り着くのは簡単だった

ノックをしたが返事がないので扉を開けて顔を覗かせる

















『あの……入ってもいいですか？ステイシアです』

















あれ？誰もいない……


部屋は空っぽだった

たくさんの本と机の上に書類が置かれている


その机の上にフィリックスから渡された書類を置く

その近くには緑色の葉が置かれている


これは……薬草？


私は触れようとした時ハッとして手を止めた

指先が少し触れたくらいでホッと一息ついた


これはシャロメの薬草だって本で読んだことがある

確か倦怠感を感じさせる成分が含まれてるって……


私はすぐに部屋を出た

そろそろ支度ができたと思って食堂へ向かうことにした



















『食堂は一階だって言ってたっけ』



















歩いているとだんだん目の前がぐらぐらと歪み始めた

足取りも覚束なくなってきたので一度止まる


あれ……どうしたんだろう……おかしい、少ししか触れていないのに……

ちょっとくらいなら大丈夫だって書いてあったんだけどな


私はその気持ち悪さに耐えきれず、目の前がだんだん滲み始めついには後ろにバタンと倒れてしまった

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