俺様、何様、登坂様 (ページ9)

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愛しいページ9

ご飯も終えて、後片付けはまた明日。

先にシャワーをしていた私は、臣のシャワー待ち。

ベッドに転がって携帯を見ていた。

ガチャっと寝室のドアが開いて、スウェット姿の臣がやってくる。

｢寝るぞ～｣

｢はぁい｣

臣が横になったら、すぐに近寄って顔を寄せる。

シャワー後のぽかぽかした体温と、ボディソープのいい香りがクセになりそう。

｢･･･ちゅーしたい｣

｢だめ、風邪うつる｣

速攻断られてしまい、分かってはいたけれど落ち込んでしまう。

俺にうつせばいいよって感じの少女マンガみたいな展開は無いみたい。

悔しかったから、人差し指でそっと臣のくちびるに触れた。

柔らかい。

ビックリしたような臣が私を見る。

｢なに、しないよ｣

｢分かってる。今のがちゅーの代わり｣

我ながら、なかなか照れくさい事をしたと思った。

急に恥ずかしくなって、臣の腕に絡まる。

そんな私を臣は優しく包み込んだ。

｢俺だって我慢してんの｣

｢ほんと？｣

｢だから早く元気になって｣

よしよしって次は頭を撫でてくれて、なんだか私は熱も相まってか、嬉しい気持ちと切ない気持ちがぐるぐると交差した。

愛しいってきっとこういう時につかうんだろう。

｢臣だいすき｣

｢うん｣

｢臣もわたしのことがだいすき｣

｢･･･うん、いいから。早く寝て｣

撫でてくれていた手を、最後は私の左手に絡ませた。

いつも一緒にいるはずなのに、こうやってときめかせてくれるから、私は5年間、飽きもせず何度も何度も臣に恋をしている。

ワガママでドSでいじわるだけど、

それ以上に大好きって気持ちが上回る。

疲れていたのか、先に寝息をたてた臣にもう一度｢ありがとう｣と言って私も眠りについた。