嫉妬マン ページ7
「何、今の」
気付いたら、さっき買ったばかりのコーヒーを軽く握り潰していて
中身がもう少しで溢れそうだった。
バックミラーに写った自分の顔は眉間にシワが寄っている。
「あーーーうぜーーー」
モヤモヤする気持ちを一旦整理しよう。
今日俺は休み。Aは仕事。
特に予定も無かった俺は、もう少し一緒に居られたらな、と思い
Aを会社まで見送ることにした。
送るって言ったらすげー嬉しそうにするから、俺までなんか朝から
幸せな気持ちにさせられて…
そこまでは良かった。
会社に着いて、見送った後、転ばねーかなってAの事を見てたら、
急に後ろから登場した知らねー男。そこそこイケメン。
「何あいつ」
距離が近いし、仲が良いのかはたから見ればじゃれあっているようにしか見えない。
今すぐ車を降りて、今日会社休みますって言えっていいにいこうか。
そんな事を考えていた次の瞬間、そいつはAの頭を数回撫でて俺のほうを見た。
それは確実に、俺に向けられたライバル視するような牽制した目。
そのまま二人は会社へと吸い込まれ、俺はそのあとをただ見ているしかなかった。
…思い出したら余計に腹が立つ。
Aに触れていいのは俺だけなのに。
今日の夜は絶対寝かさないと決めて、車を発進させた。
【お前誰にでもへらへらしすぎ。触られすぎ。距離近すぎ。】
【嫉妬してるの?(゜-゜)】
【は?死にたいの?】
「…直人のせいで激おこぷんぷんまる……」
「えっ、まじで?」
「嫉妬マンだから、臣は」
「へぇ〜ちょっとからかっただけなのに。子供だね〜〜臣くん」
「もー!機嫌直すの大変なんだからね!」
「ごめんごめん、でもAも悪い。」
「え、どこが」
「教えない〜〜」
そういうとこだよ。
俺の気持ちに一切気付かないところ。
惚れてる女から、毎日彼氏の惚気聞かされるこっちの身にもなれってんだ。
でも悔しいくらいイケメンだったなー。
だから少しくらい、イジワルしてもいいでしょ。
「かわいいお前が悪い」
「なんか言った?」
「何も言ってません!よし!仕事がんばろ!」
「なに急に。変な直人」
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risa(プロフ) - めっちゃキュンキュンしました!続きも楽しみにしています!! (2017年2月24日 17時) (レス) id: 5a7dd95724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:clover | 作成日時:2017年1月13日 15時