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気付かされた気持ち3 ページ18

「さ、急がないと上司から説教を食らいますよ。」
「は、はい。」

私の隣に来たかと思えばスマートにエスコートをしてくれる。

――こわい、こわい!!

降谷さんが何度かエスコートしてくれる事があったが、大体言い目に遭っていない。

「それでは失礼します。」

助手席に乗せられニュートラルからローに入れて車が発進する。
暫く無言のまま車が街の中を走る。
別に悪い事をしたわけじゃないが空気が微妙だ。
その静寂を破ったのは降谷さんからだった。

「・・・中の下だな。」
「は?なにがですか?」
「男だよ。」

一瞬何を言っているのか分からなかったがどうやら合コンに参加した男性を品定めしていたようで。

「・・・そりゃ、降谷さんに比べたらそうでしょうね。」
「お前にはもっといい奴がいるだろう。」
「いれば苦労しません。」

そういって降谷さんを見る。
私も彼氏を作りたいな〜と少なからず思っていたから合コンに参加したのだ。
しかし、まさか合コンであんな事を言われるとは思っておらず少し降谷さんを意識してしまう。
高身長にイケメンで、職業も硬くしかも将来有望株。
性格が少々難なのを目を瞑っても、確かにこれほどのハイスペックは早々見つからないだろう。
普通の女子ならばきっと降谷さんにすぐにイチコロになってしまう。
でも私は目まぐるしい日々にそんなことを考えている暇はなかった。

――いや、考えたくなかったのだろう。

厳しいながらにも時折見せる優しさに。
無茶振りをしながらも最後には手を差し伸べて笑う彼に。

仕事柄、上司でもある降谷さんの背中をずっと追いかけるのに必死で気付かなかった。

そうか、私はいつの間にか降谷さんが好きになっていたのか・・・


でも私と降谷さんでは不似合いだ。
彼の彼女はきっと小柄でかわいく、誰からも好かれる笑顔で守ってあげたいタイプの子のはずだ。
私みたいに車やバイクに趣味を投じているのが彼と付き合うなど言語道断だ。
それならこのまま気付かなければよかった。

「・・・バカだな。」

ボソッと呟いた言葉はステレオから流れる音楽に掻き消えた。

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月詠(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!少し更新スピードが落ちてますが気長に待っていただければ幸いです。 (2019年11月29日 21時) (レス) id: a4fc351ca6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年11月16日 0時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
月詠(プロフ) - まよさん» 初めまして。ありがとうございます!すごく励みになります。気長にお付き合いくださいませ。 (2019年9月27日 17時) (レス) id: c30e1cbeb8 (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - 初めまして(^^)すごい面白くて夢中で読んでます!更新楽しみにしてます! (2019年9月26日 12時) (レス) id: f3e2704753 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月詠 | 作成日時:2019年9月13日 17時

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