上司と自販機2 ページ15
「それ・・・」
「カフェオレがなんだ。」
気付いてない!
意を決して降谷さんに真実を伝える。
「それ・・・お汁粉ですけど?」
私が指摘して初めて降谷さんは缶を見て自販機を見る。
私も同じく自販機を見ればカフェオレの隣はお汁粉だった。
「・・・俺はお汁粉が飲みたかったんだ。」
さっきカフェオレが飲みたいの♪って歌ってましたよね?
新しいの買い換えるつもりかと様子を見ているとプルタブを開け一気にお汁粉を啜る。
「ん、うまいカフェオレだ。」
「・・・。」
とうとう味覚までバカになったのか?
そう思っていると不気味な笑いが聞こえて来る。
「・・・ふふふ、この俺がお汁粉とカフェオレを間違えるはずがない・・・」
「ふ、降谷さん?」
「親父にもぶたれたことないのに・・・」
なにやら物騒なことを言い出してハタッと気付く。
私は3徹だが確か降谷さんは・・・
「降谷さん?今何徹目ですか?」
「あ?・・・月曜からだ。」
今日は金曜日。
5徹じゃないか!
「降谷さん、寝てください!」
「人間寝なくても・・・動くぞ!」
「あーはいはい。」
これはヤバイ、こんな上司の姿他には見せれない!
無理矢理仮眠室へと連れて行く。
私が使っていた仮眠室の隣は個室の仮眠室だ。
その部屋に押し込み無理矢理ベッドに寝かせる。
まだブツブツ言う降谷さんにポンポンと子供をあやすように優しく叩けば、瞬く間に虚ろな目をしだす降谷さんに苦笑しかでない。
「・・・3時間後に起こしに・・・こい・・・」
言うが早いか既に寝息を立て始めた降谷さん。
「・・・よほど眠かったんですね。」
当たり前か――
私たちの3倍もの仕事量をこなしているのだから。
目元をみればクマが出来ていて、もっと早く無理矢理仮眠室に連れて来ればよかったと思う。
そっと仮眠室を出て自分のデスクへと向かう。
上司の仕事を少しでも手伝えるように。
フロアは相変わらずどこもてんやわんやになっていて取り敢えず不在の降谷さんの所在を風見さんに伝えれば、凄く驚いた顔された。
「降谷さんが素直に寝たのか?」
「?はい。」
「・・・我々が言っても聞かない方が?」
「5徹夜ですし相当眠かったんだと思いますが?」
「・・・そうか。いや、しかし・・・」
まだブツブツ言っているがよく聞こえないので取り敢えず自分の仕事に専念することにする。
3時間後に私が起こしに行くまでに起きた降谷さんに首を絞められながらさっきの事は忘れろと言われるまで、後2時間45分。
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月詠(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!少し更新スピードが落ちてますが気長に待っていただければ幸いです。 (2019年11月29日 21時) (レス) id: a4fc351ca6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年11月16日 0時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
月詠(プロフ) - まよさん» 初めまして。ありがとうございます!すごく励みになります。気長にお付き合いくださいませ。 (2019年9月27日 17時) (レス) id: c30e1cbeb8 (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - 初めまして(^^)すごい面白くて夢中で読んでます!更新楽しみにしてます! (2019年9月26日 12時) (レス) id: f3e2704753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月詠 | 作成日時:2019年9月13日 17時