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上司はぬいぐるみをムニムニする2 ページ2

「こんばんは、A宅急便です。ご要望の品お届けに参りました。」
「入れ。」

に体を滑り込ませればそっと閉まる扉。
封筒を降谷さんに手渡し確認してもらう。
間違いないと言うことだったのでそれではとドアノブに手をかける。

「まぁ、上がれ。」
「え?いや・・・終電が・・・。」
「上がれ。」
「・・・はい。」

にこやかに笑いながら肯定しか受け付けない上司に心では泣きながらネカフェ決定の文字が踊った。

「適当なところに座ってろ。」

初めて入る降谷さんの自宅。
ソファーに腰掛けぐるっと見渡す。
ブラウンで統一されて必要最低限の家具とギターしかないがとても居心地が良さそうだ。
ふといたずら心をくすぐられカバンの中を探す。
カバンの中から出したのはセキセイインコのもちもちぬいぐるみキーホルダーだ。
可愛いなと思って衝動買いしたもののつける場所に迷ってカバンの中に入れたままだったのだ。
それをテレビボードの隣に置いてみる。
ブラウンの色の中にポツンとスカイブルー色の鳥がなんともシュールで笑ってしまう。

「何してるんだ?」

キッチンからこちらに移動してくる降谷さんにテレビボードを指差す。

「彩りを添えてみました。」

そう言って私が置いたぬいぐるみへ目を向けてため息をつかれる。

「お前は子供か。」
「いいじゃないですか、可愛いでしょ。」
「マヌケ面はそっくりだな。」

自分のカバンに仕舞おうとぬいぐるみを取ろうとした瞬間横から手が出てきて取られてしまう。

「あ。」
「ふーん。もちもちさはお前の勝ちだな。」
「・・・それってどう言う意味です?」

ジト目で睨めばそのままの意味だと返ってくる。
えぇ、どうせ私は太ってますとも。
ほんとパワハラセクハラ変態でデリカシーのない上司だ。

「それよりご飯まだだろ?準備できたから来い。」
「いいんですか?!」

オフィスから直接来たから正直お腹が空いていたのだ。
先程からいい匂いがしてたのはそれだったのか。
降谷さんの後をついてダイニングへ移動すれば美味しそうなビーフシチューが私を待っていた。

「あれ?降谷さんは?」
「俺はすでに食べた。」
「ソーデスカ。」

私がお腹すかせながら電車で揺られている中、貴方はご飯を食べたわけですね。
ご飯に罪はないから食べてしまおうと席に着けば前の席に降谷さんが座る。

「いただきます!・・・流石降谷さん、美味しいです!」
「それは良かった。」

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月詠(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!少し更新スピードが落ちてますが気長に待っていただければ幸いです。 (2019年11月29日 21時) (レス) id: a4fc351ca6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年11月16日 0時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
月詠(プロフ) - まよさん» 初めまして。ありがとうございます!すごく励みになります。気長にお付き合いくださいませ。 (2019年9月27日 17時) (レス) id: c30e1cbeb8 (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - 初めまして(^^)すごい面白くて夢中で読んでます!更新楽しみにしてます! (2019年9月26日 12時) (レス) id: f3e2704753 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月詠 | 作成日時:2019年9月13日 17時

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