上司は○○シリーズ【降谷零】

上司と太陽と犯人3 ページ24

「・・・なぜ安室さんが私の水着のサイズが分かったんですか？」

そう、着替えながらに思っていたこと。
水着のサイズがバッチリ合っていたことだ。
少なくともサイズを教えた覚えはないし、もちろんそういう仲でもない。
なら、なぜ？とずっと疑問だったのだ。

「手合わせしていたらわかる。お前はどちらかというと筋肉質だし胸もないからな。」
「・・・胸ないのは余計です。」

気にしていることを突かれて頬がヒクつく。

「何なら俺が大きくしてやろうか？」

手をイヤらしく掲げる姿にさっと距離をとる。

「お巡りさん〜ここにセクハラ野郎がいまーす。」
「俺だが何か？」

そうだ、彼も私も警官だった。
助かりようがないじゃないか・・・

諦めて私はパラソルの下に座り、これまたご丁寧に入っていた日焼け止めを手に取った。
ボトルから適量手に取り腕や足に塗っていく。

「・・・何ですか？」

先程から隣のセクハラパワハラ変態上司の視線が痛い。

「背中塗ってやるよ。」
「いえ、結構です。」
「いいから貸せ。」

私の手から日焼け止めをひったくり液体を手のひらに出す。
そしてそれを私の背中に塗りつけてきた。
ありがたいけど恥ずかしい。
ゆっくりと時間をかけて日焼け止めを塗った降谷さんは満足したようだ。

「・・・喉乾いたので飲み物買ってきます。」
「なら、俺は水でいい。」
「わかりました。」

降谷さんの視線がなんだか痛いのでその場から海の家に逃げる。
恥ずかしさで居心地が悪すぎる･･･

海の家で水とコーラ飲み物を買って戻ろうとするときゃっきゃと女子が色めきだっていた。
耳を傾けると聞こえてくる内容。

ねぇ、あのと男の人かっこよくない？
声掛けてみる？

そんな女子の視線を辿ればミルクティー色の髪をした安室さんだ。
確かに私がいうのもなんだがカッコいい。
スーツ姿は勿論アポロのエプロン姿も様になっている。
水着姿は初めてみるが引き締まった筋肉はこの太陽の日差しに負けていない。
外見は申し分ない、外見は。
性格はパワハラセクハラ変態なのだから。

「ねぇ、彼女一人？」
「・・・」
「よかったら俺たちと泳がない？」

いかにもチャラそうな二人組の男に声をかけられた。
こういうのは無視に限る。
それに買ったものを早く持っていかないと何言われるかたまったもんじゃない。

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