腹黒少女と灰谷蘭

瑠璃の光も磨きから ページ15

ぶわっと香りに包まれ思考が停止したけれど、私の肩から生えてるかのようにはみ出ているあの綺麗な金髪と黒髪のお下げが視界に入って状況を理解した。私灰谷蘭に後ろから抱きつかれているのね。


ねえ大胆すぎない？みんな顔が引きつってるから。


そんな私をみて彼はニコニコしながら「A」 ちゃん、おはよ♡」だなんて飄々と言う。とりあえずまずその抱きついてる手離そうか？

私の肩に絡みついてる手を剥がそうとしたけどやっぱり喧嘩強い男の人ね、見た目とは反して力強くて離せないし彼はギュッと私を抱きしめたまま、笑顔でもう一度言う

「お前ら全員泥棒なんだな♡」

すると私のノートを持っていた女が勇気を振り絞ってか「だって、Aちゃんがいいって言ってくれてるし…」って言うと(死ぬほど声震えてるけど)みんながボソボソ話し出す。

「別に無理やり取ってないよね」

「Aちゃんとは仲良しだしいじめでもなければましてや泥棒なんてね……」

ひとりが言うとみんなが口々に言いだす、ねえ私別にここまで大事にしたくないんだけど、ここでクラスでの関係悪くなったらどうするの。てかそんなに文句言って灰谷蘭って人怒らせてらどうするの


抱きつかれてることを忘れて色々不安になって考えてたら彼は表情変えずに


「へー、じゃあお前らAちゃんにノートとかみせたことあんの？」

………意外な返答。

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