教師失格【Sho.s】 (ページ45)

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時計を見ると、６時を過ぎていて

いつの間にか眠ってしまったらしい。

開けっ放しのカーテンを閉めようと窓際に近づくと

『さとし・・・？』

トボトボと歩く制服姿の智が目に入った。

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彼がふと顔を上げて、あ。と思ったときには、既にパチリ。と目があってしまっていた。

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智「・・・A」

『ごめんね！嘘ついたりして』

私の部屋

机を挟んで向かい合わせに座る彼の目を、私は未だ見れずにいる。

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智「あのさ・・・っ、」

『ちょっとお腹痛くなっちゃって、だけど言うのなんだか恥ずかしくって！笑』

･

私が無理に笑っているのを彼は見透かしたように、眉を顰めた。

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『ごめんねー！あ、そうだ！晩御飯食べてく？お腹すいたでしょ？』

智「Aっ！！」

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智がふぅ。っと息を吸う。

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智「あ、ごめん、・・・あのさ、翔ちゃんとなんかあったの？」

『なにもないよ？』

智「本当に？」

『・・・うん』

･

彼がテーブルを回り、私の隣に来る

智「A」

『やっ・・・！』

私に伸びてきた手を、思わず振り払ってしまった。

彼が、驚いたように私を見つめる。

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『ごめん・・・』

智「・・・俺が、やだ？」

『違うの・・・』

智「なにが違うの？」

『違う・・・』

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もうだめ

もう触れないで

・・・私はその手を

二度と離してあげられなくなる。

･

『・・・智』

智「なに・・・？」

･

私は

幸せになってもらいたいの

カンナちゃんを好きになったのなら、私はその恋を応援する

これからはひとりで

もう全部全部過去にできるようにがんばるって決めたの

全部全部終わらせて、笑いたいの

･

智「・・・やだよ？俺はやだ」

･

まだなにもいってないのに

智はなんでもわかっちゃうんだね。

･

『もう終わりにしよう・・・？』

･

私はこのとき

彼の涙を、初めて見た