教師失格【Sho.s】 (ページ3)

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『はぁ～』

授業が終わり、女子生徒に囲まれている先生を見て、ため息ひとつ。

智「どったの」

水色の色鉛筆を持った智が、スケッチブックの絵に色を付ける。

私の心にも元気になれるような明るい色を付けて～！

って言い掛けて、口を閉ざした。

『・・・なんでもないよ』

智「そ」

綺麗な横顔だ。と、みるたび思う。

すらっと通った鼻筋

とろん。とした瞳

ピンク色をした薄い唇

俗に言う、美形男子だ。

「御坂さん」

『はっ、はい！』

智の横顔に見とれていたせいで、先生がこっちに歩いてきていたのに気づかなかった。

「大野くん」

智「ん～？」

「二人とも。小テストの点数、自覚してますか」

『・・・・・はい』

智「えーなんだっけそれ」

「・・・まったく大野くんは」

智「キャア困ってる櫻井センセェもステキィ～」

先生が持っていたファイルでバシッと智の頭を叩く。

その後ろでは、困ってる櫻井センセェもステキィ～！怒られてる大野くんカワイィ～！って女子生徒の甲高い声があがった。

「補習必ず来てくださいね、おふたりさん」

『はぁい』

智「はいはい」

「ハイは一回」

智「はーい」

先生のアイドルスマイルは、今日も健在。

智「なにニヤけてんの」

・・・・返す言葉が見当たらない。