09 JMside ページ10
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「本当にAちゃん来てくれると思う？」
「さぁな。これで慌てる素振りがなかったら…ジンさん諦めて」
「そうだよね……、って、僕が言うわけないだろう！本当に倒れかけたのはテヒョンのせいじゃないか！あ、でもAちゃんに優しく介抱されるなら怪我も悪くないね」
単純なジンさんに、僕は不安がよぎる。
男らしい作戦は、ジンさんの強い要望で甘え作戦へと変更された。
Aちゃんに思う存分甘えたいって、ジンさんの下心が見え見え。
途中で襲ったりしないか…。
「俺達は帰るけど、絶対Aに手を出したりすんなよ」
「それは約束できない」
「は？いや、マジで眠らせといてやろうか？」
「僕とAちゃんの関係に口出しは無用。互いの想いが一致し気持ちが高まれば、男女の関係になるのも自然なこと。むしろこの日が来ることを想定して、僕は彼女の好きなアロマオイルで迎えベッドも新調した。さぁ、部外者は帰った帰った」
これのどこが病人なのか。
むしろ態度がふてぶてしい。
さっきまで、Aちゃんに相手にされなくてこの世の終わりみたいな顔してたのに。チョン君の恨みつらみを泣きながら僕達に訴えかけてきたのに。
ほんと、ジンさんは現金な人だ。
それに助け舟をだしてしまう僕とテヒョンアも、結局はジンさんに甘い。僕達より年上なのに、なぜだかほっとけない魅力がジンさんにはある。Aちゃんはどう思ってるかわかんないけど…。
「テヒョンア、そろそろ行こっか」
「なんかAが心配…」
「僕はジンさんの方が心配だけど…」
「ジミン君どう言うことだい？僕が心配って？」
「ジンさんがその…途中でぼろを出してしまわないか。それでAちゃんに嫌われないか…僕はそれが心配で」
「あー、それはありえるかもな。まっ、せいぜいAに嫌われないようにジンさん頑張って」
嫌われる、その一言がジンさんの心を抉ったようで。
僕達を睨みつけたジンさんは布団を頭から被ってしまった。
「テヒョンア、ちょっとジンさんに言い過ぎたかな？」
「気にすんな。上手くいけば、このままカップル成立するかもしれないし。ジミナの話ではAもジンさんのこと悪くは思ってないんだろう？」
「そうなんだけど…もしそれが逆に向かったら？」
玄関のドアを閉めたテヒョンアは、僕の問いかけに「そん時は…どうしようか」と呟いた。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 21時
