JK彼氏Ver ページ40
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「A先輩、これなんてどうですか？」
『可愛いね。ベッドに置こうかな』
ふわふわもふもふのウサギのぬいぐるみ。
抱き心地もいいね、と俺に微笑む先輩。
『お会計して、』
「やっぱ買うのやめませんか？」
『どうして？』
「ベッドに置くぬいぐるみだって俺聞いてないです。そのぬいぐるみを先輩が毎日抱きしめて寝るとか……絶対に嫌です…」
クリクリした大きな目がジョングク君に似てるって…先輩に褒められて嬉しいのに。それを褒められたのはこのぬいぐるみも同じってのが、なんか腹が立つ。
ジョングク君の選んでくれたモノが欲しいって言われて舞い上がって、さりげなくペアのモノもどうですかってオススメしようとしてたのに…。
『私このぬいぐるみにする』
「ダメです！ちょっと貸して下さい」
『貸したら返して来るくせに…』
「いけませんか？」
頬を膨らませる先輩。
可愛いんだけど…。
「どうして先輩はそのぬいぐるみにこだわるんですか？他のモノでいいじゃないですか」
『だって…ジョングク君に似てるから…』
「俺に似てるから買うって言うんですか？」
『そうだよ…』
彼氏の俺だけいればいいじゃないか。
なんでわざわざぬいぐるみまで買おうとするんだよ…。
抱きしめたいなら俺にすればいいのに。
『ジョングク君が側にいない時は、この子を抱きしめて眠りたいの。そしたら寂しくないかなって』
「え…」
高値コーナーのお皿を手に持っていた俺は、先輩の言葉に危うくお皿を落としそうになった。俺の給料三ヶ月分の値段。マジで落とさなくてよかった…。
いや、突っ込むとこはそこじゃなくて
先輩の言った言葉だ。
「そのぬいぐるみ、俺の代わりってことですか？」
『うん…』
「先輩は俺が側にいなくて寂しく思ってたり…？」
『うん…』
認められると、それはそれで…めちゃくちゃ嬉しい。
ダラシない表情してるとは思う。
それもこれも、可愛い先輩がいけない訳で。
『買ってもいい…？』
「あーもう、いいです。買って下さい！その代わり俺の名前を付けて可愛がってくれるんですよね？」
『可愛がるのはぬいぐるみだけでいいの？』
「先輩、今日は俺の部屋に泊まって行って下さい。俺が先輩のこと、可愛がってあげますから」
俺をカラかった先輩に、俺からの反撃。
顔を赤くして俯く先輩。
先輩より可愛い人を、俺は知らない。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 21時
