Prologue ページ36
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「夢にも昇るような気持ちだった…」
「そのまま昇ればよかったのにな」
「テヒョン、言葉は選んで言うもんだ！僕に何かあったらAちゃんが悲しむだろ？」
「何が悲しむだよ。俺らの方が悲しんでるっての」
目の前で言い合いを始めるテヒョンとジンさん。
ジミン君とチョン君に挟まれた状態の私。
「はぁー…、Aちゃんがジンさんの毒牙に…」
「純粋な先輩が染められてしまいましたね…」
『二人とも、そんな言い方しなくても…』
私が望んでした事だよと伝えても、三人は…特にテヒョンとジミン君はジンさんに対して当たりが強い。それもこれもジンさんが黙っていられないから、余計に反感を買うわけで…。
「もうテヒョン達には何も報告してやらない。あ、でも僕が幸せすぎて黙っていられないかも。幸せのお裾分けっていうのかな」
「いらねぇ」
「僕も」
空になったグラスを片付けようと立ち上がった私の後ろを、ジンさんが付いてきた。
「その…Aちゃん体大丈夫？」
『少し腰が痛いぐらいで…』
伸びてきたジンさんの手が、私の頬を撫でる。
触れ方が優しくて、まるで昨日の体験のような…。
「僕を受け入れてくれてありがとう」
『ジンさん？』
「告白にしても、僕の行為にしても。まだ夢なんじゃないかって…」
『ジンさん私にお礼言ってばかりですね』
「そうだね…」
『私から今度はお礼言ってもいいですか？』
ジンさんの背に腕を回して、胸に顔を埋める。
「Aちゃんが僕に？」
『はい…』
このアパートでジンさんに出会ってなかったら、私はどんな人生を送っていたんだろう。
管理人と同居人の関係から
今は恋人同士の関係。
世話好きな変わり者の人から
今はかけがえのない大切な人。
『ジンさん…私を好きになってくれてありがとうございます』
私の言葉にジンさんは、またありがとうと言って私を抱きしめ返してくれた。
知れば知るほどに、ジンさんの魅力に惹かれていく。
温かい人柄に、包んでくれる優しさに。
だから私はジンさんを
今日よりもっと、好きになる_________。
fin.
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 21時
