24 JNside ページ25
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「どうしたの？もしかしてデートのお誘いとか？」
『あ、いえ…、お皿を返しに来ただけなんです…』
「お皿…か…」
昨日の夕食に使った食器を返しに来てくれたAちゃんに、会えて嬉しい反面、それだけ告げると帰って行こうとする寂しさ。休日でも、平日でもAちゃんのお誘いなら24時間受け付けているのに…。
抱きしめられた一件から、本当は何も変わっていない。
テヒョン達には進展があったなんて嘘まで吐いて。
「どこか出かけるの？お買い物なら荷物持ちで僕が付いて、」
『仕事の打ち合わせで…』
「ああ…仕事なんだ。休日なのに？」
『上司に提出する資料がまだ出来ていなくて…それで…』
休みの日まで仕事なんだと、Aちゃんの表情がなんだか暗い。
でもそれだけじゃないような。
聞き返してもいけないような。
「先輩…ジンさんに、」
『チョン君…言わないで』
Aちゃんの後ろから顔を覗かせたチョン君は、何か事情を知っているようだったけど。Aちゃんに釘を刺されて、それでその話は終わってしまった。
「チョン君、何か知ってるの？」
「いえ…、」
去って行くAちゃんの後ろ姿を見つめ、僕は追いかけて理由を聞きたい気持ちを堪える。いつも笑顔の素敵な彼女が今日はどうして暗いのか、それはこれから何か彼女の心に暗い影を落とすような出来事が待ってるんじゃないかと。
「どうしたんですか？二人とも玄関に突っ立ったままで」
ジミン君の声に、僕とチョン君は無言のまま部屋へ入った。
「Aは？」
「仕事なんだって…」
「それでジンさん拗ねてるんだ。男ばっかで華がないとか思ってるんだろ？デートの誘いじゃなくて残念だったな」
「そうだね…」
僕が食ってかかってくることを予想していたテヒョンは、なんかあったのか？と僕の顔を覗き込む。ジンさんが大人しいなんて絶対変だ、なんか悪いものでも拾い食いしたんじゃ、と僕をなんだと思ってるんだ。
僕だって大人しい時ぐらいあるさ。
「悪いものじゃなく、悪い男なら俺知ってます」
「チョン君？」
「ジンさん、先輩を守れるのはジンさんだけです。先輩が心から頼りにしてるのはジンさんだけです。俺…先輩には黙っていて欲しいって言われたんですけど…先輩が心配なんです」
やっぱりチョン君は何か知ってるんだ…。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 21時
