18 JKside ページ19
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「いやー、びっくりした。テヒョンだと思って、チョン君ほんとごめんね」
「……大丈夫です」
ほんとごめんって、この軽いノリ…テヒョン先輩と同じだ。
まだ痛む鼓膜を気づかって、俺は自分の耳をさする。
二十分前。
俺はテヒョン先輩から自分の代わりに電話に出てと言われ、なんで？と思いながらもスマホを受け取った。出たら出たで「Aちゃんは！！」とスピーカー機能でもジンさんに付いてるのかってぐらいの大音量で叫ばれ、「なんでカトク出ないんだよ！」「既読無視とか！」「Aちゃんに何かあったらどうするのさ！」「僕に優しくしてよ！」と、ジンさんのマシンガントークが止まらない。
それでもれなく、俺の鼓膜もダメージを受けた。
こうなる事を知ってたからテヒョン先輩は俺に電話を…。
「チョン、嫌な役押し付けて悪かった」
「ちょっと！僕の電話が嫌だってどう言う事だよ！」
「どうもこうも、今のチョンの姿が全て物語ってるだろ。ったく、俺らが仕事終わるまで待てないのか？」
「待てない」
はっきりとテヒョン先輩にジンさんはそう言った。
それを見ているジミン先輩は苦笑い。
それで一人話が見えない俺は蚊帳の外状態。
「ジンさんもしかして会社の辺り意味もなく彷徨いてました？」
「ジミン君、言葉を選んで言ってくれるかな。僕の日課にしてるジョギングコースがここら辺なんだよ」
「へぇ、わざわざ電車に乗って？アパートから一時間以上もかかるのに？ジョギングコースねぇ。それ初耳だな」
テヒョン先輩の鋭い目力に睨まれたジンさんは、俺の背中に隠れてしまった。
俺を盾にされても、俺だってテヒョン先輩に睨まれたら怖い。
「それぐらいしてあげなよ。いつまでも話が進まない。それよりAちゃんがヨンさんと行動を共にしてる事の方が重要でしょ？」
「そうだよ！！彼氏の僕がいながら、Aちゃんに手を出そうとする不届き者がいるのが問題なんだ！」
「ジンさんは彼氏じゃねぇけどな」
「未来ではそうなってるんだ。絶対そうなってる」
どんな確信だよと、テヒョン先輩の呆れたような表情。
ジンさんは拗ねて、俺の袖口を掴んで「そうだよね？」と同意を求めてくる。
俺に聞かれても…。
「先輩は…ジンさんの事嫌いではないと思います」
「チョン君もそう思う？テヒョンアや僕と同じ意見だね」
「だからジンさん、」
元気出してくださいと言う言葉を飲み込んだ。
真っ赤な顔をしたジンさんが、そこにいたからだ。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 21時
