15 THside ページ16
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「僕のことが心配か…。好きで好きで堪らないって、どうして私の気持ちに気づいてくれないんですか。ジンさんとなら、人生を共にする覚悟が私にはあるって言うのに……やだなぁ…まいっちゃうな…」
「自分の都合いい解釈するなよ。後半の言葉は絶対言われてないだろ？」
「テヒョン、君は人を愛する事を学んだ方がいいよ」
マジでムカつく。
この上から目線な言い方。
Aに振られたなんてこの世の終わりみたいな顔してたから、俺もジミナも心配して泊まってやったのに。なんか朝からAといい事あったようで、それが余計に腹立たしかった。
「僕達の心配も無駄だったみたいだね。ジンさんケロッとしてるもん」
「この人に落ち込みは無縁だからな」
「失礼な！僕だって人並みに落ち込むさ。ただ人並み以上に立ち直りも早いんだ。それもAちゃん絡みだとね」
爽やかな朝に、どうしてこうもジンさんの顔を見ると憂鬱になるのか。
多分、幸せな顔が鼻につくんだ。
ジミナとどうやってジンさんを励ましてやるか作戦を考えていたにも関わらず、このまま寝不足で会社に出勤して仕事してそれも仕方ないかと覚悟してた。なんだかんだ言っても俺にとってジンさんは大切な従兄弟で。その大切な人だから恋の応援もしてあげたかったのに…。
「なんかな…」
「だよね…」
「二人して何？その人生を悲観したような暗い顔つきは」
「誰も人生悲観してないから。ジンさんの応援がバカらしくなってきたなって思っただけ」
「どう言うこと？僕の応援がテヒョン達の生き甲斐じゃないのかい？」
この楽観的な性格が羨ましい。
ついでにただでは凹んだりしないところも。
イチゴジャムたっぷりのトーストを頬張る目の前のジンさんの顔は本当に幸せそうで。Aと何があったかは詳しく聞かされてはいないけど。幸せならそれもいいかと思ってしまう。
「そう言えば、隣の課に配属されてきた男の人いたよね？」
「イケメンだって女子社員が騒いでたな…」
「イケメンなら僕も負けてないけどね」
ジンさんの言葉をスルーして、俺もトーストを頬張る。
「その人Aちゃんのこと可愛いって噂してたって聞いたけど…」
「へぇ…」
「なんだって！？その情報は確かなのか！？テヒョン、悠長に朝食なんか食べてるんじゃない！」
朝食ぐらい、悠長に食べさせてくれよ。
どうせ、その男のこと探って来いって言うんだろうから。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 21時
