11 JNside ページ12
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キス待ち顔の可愛いAちゃん。
こっそりスマホの待ち受け画面にしたいぐらい。
それに、僕を心配して汗だくになってまで駆けつけてくれるなんて。
僕って、ほんとAちゃんに愛されている。
二人の関係は揺るがないって言うのに、テヒョンもジミン君も僕がボロを出してAちゃんに嫌われるだなんて、縁起でもない。
『ジンさん…、』
心の準備はできてるはずなのに。
いざ、Aちゃんの可愛い唇を前にすると。
どうも怖気ついてしまって。
男キム･ソクジン。
覚悟を決めて、Aちゃんの唇にダイブしろ！
『あのジンさん、スマホ鳴ってますけど…、』
互いの唇に触れるまで数センチ。
僕の唇にAちゃんの息がかかるぐらいの距離まで近づいたのに…。
このタイミングで電話とか。
「テヒョンからだ…。なら出なくても問題ないね」
『いいんですか？』
「いいよいいよ。それよりAちゃん続きを______」
『だ、大事な用事だといけないので出て下さい』
抱きしめようとした僕の手からAちゃんはすり抜けて行った。
さっきまでのいい雰囲気は……全部テヒョンのせいで台無しだ。
「……もしもし」
《あ、ジンさん？》
「僕以外に誰がいるって言うんだよ。これは僕のスマホなんだから…」
《うわぁ、めちゃくちゃ機嫌悪いな。その様子だとAに構ってもらえなかったんだろう？》
呑気なテヒョンの声が電話越しから聞こえてきて、「テヒョンア、ジンさんに少しは優しくしてあげなよ」と、隣から天使のようなジミン君の声が聞こえてくる。
「悪いが、テヒョン達が想像できないほどの良い雰囲気なんだ。邪魔しないでくれないか」
《わかってるから、強がりはいいって》
小馬鹿にしたような言い方に。
そりゃ僕だって、プチンとキレるさ。
「この怪我だってテヒョンが僕に作ったものだろう！それも反省も心配もしないで。上手くAちゃんを部屋に誘導できたのは僕の怪我あってのものだが。騙す作戦が成功するかどうかは、これからの展開にかかってるんだ！わかったら電話切って。大人しく僕からの報告を待つように！」
言いたいことだけ伝えると、僕は乱暴にスマホを切った。
「全くテヒョンは、」
『ジンさん……騙すってどう言う事ですか？』
「Aちゃん？」
『もしかして…私を騙していたんですか？』
さっきまでの甘い雰囲気から一転。
雲行きが怪しくなってしまった。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 21時
