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課外が始まる前、ベッキョンくんが教室に入ってくる姿を確認してから、すぐに駆け寄った。
「ベッキョンくん、ちょっと」
「 ？ 」
俺？とでもいった顔をして、彼は一応頷いた。
チャニョルくんと一緒に来なかったから良かったと心から安心した。
彼と一緒に適当に西側階段あたりまで歩いた。
それでも不安だったからエレベーターの隣にある新品のゴミ袋や掃除用具が保管してある倉庫室に入った。
流石に不思議に思ったのかベッキョンくんが「なに？」と興味津々そうに聞いてきた。
「あのー、チャニョルくんが私のためにキムソヨンになんか....言った、って聞いたんだけど」
ベッキョンくんは怪訝そうな顔をして私を凝視している。
まるで私がおかしなことでも言ったかのような表情。
「あ....知らない？」
聞く人を間違えたかな、と思って後悔と一緒に汗がダラダラと流れ落ちてくる。
チャニョルくんと初めて話した時よりももっとものすごい緊張で返事を待った。
返ってきた答えは意外なものだった。
「んーん、まあ、知ってるけど」
＊
ソアが言ったのはこうだった。
ソアがパンを買いに一階へ行った時のこと。
パンとついでにジュースを買おうとして自動販売機の前にできた列に並んでいると、
前にいたキムソヨンと、その仲間達がある場所を見てこそこそと話していたそう。
釣られてソアも顔を向けるとそこにいたのはチャニョルくんと他のクラスの子で、仲が良さそうに話していた。(私はその女の子を課外のときチャニョルくんの隣の子だと思っている)
その時キムソヨンが「なにあの人、本当怖いわー」と呟いたらしい。
事情を知らない子たちが「なに？」と問いただすと、
「あの人は、あたしたちがAの愚痴を言っていたのを聞いてて、やめろって言ってきたんだよ」
「Aが私らのことを言いつけたんじゃない？」
と半ばお怒り気味に言っていたそう。
"これ以上言ったらほんとどうなるかわかんないよ"
って釘を刺されたらしい。
そんなこと初耳もいいところで、ソアは興奮してジュースも買わずに戻ってきたと。
私も頭が混乱して何が何だか。
そんな、ドラマのような話があり得るのかな？と。
一見すると私にとってはいい話。
だけど一概に嬉しいと言えないのは、もちろんキムソヨンに新しい誤解をされてしまっているし、何のためにそんなことしたのか分からないから。
信用できない気がして鵜呑みできない。
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作者名：よるちー | 作成日時：2016年8月13日 1時
