シアンに溶け合う白と黒2 (ページ9)

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朝なんて駅まで数分歩いただけで汗だらだら。
早朝の電車内はクーラーが効いてなくて余計に汗をかく。

悲しいことに、西棟のクーラーは効きが悪いから結局どこへ行っても暑いのだ。

おかげでみんな授業が終わると机にしなれて寝ている。
「暑い～～～」という声はまるで唸り声のように響いている。

「あたしパン買ってくるね～」

そう言って出て行ったソアを見ることもせず、返事だけして私も机にしたれた。

毎年答えがない疑問を浮かべては、どうしようもなくてイライラする。

夏ってどうしてこんなに暑いの。

そうやってぐるぐると同じ疑問を何度も繰り返していると、ソアが帰ってきたみたいだ。

「Aー！」

私の席の近くに来て声をかけるわけでは無く、少し遠くから聞こえた。

「なにー」

重い頭を上げて、振り返ると、ソアは手招きしながらびょんびょん跳んでいる。急げ、と言っているようだ。

「ちょっと！！ちょっとちょっと」

何処かで聞いたことがあるセリフ。
ソアは至って真剣そのもので、私も少し身構えた。

これまでにないほど近寄り、耳元で、しかも小声で囁いた。

「今、キムソヨン達が言ってたんだけど」

キムソヨン、という名前に心臓がどくりと波打った。

「うん、なに？」

「チャニョルくんがさ.....Aをかばって仲良くしてたって知ってる？」

「は？なにそれ？」

それは想像もしていなかった話だった。