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それからベッキョンくんは事あるたびに一発芸、というよりも私のテンションが上がるように面白動画を見せてくれたり、話をしたりと、楽しませてくれた。
それを時々ギョンスに報告する。
ギョンスの眠そうな声にも御構い無しに私は話し続けた。
「ギョンスー、あのさー」
「なに？」
「ベッキョンくんってやっぱちょっと可笑しい？」
「うん？まあ、確かにおかしいけど」
「ふふっ、電気つけたり消したりする意味不明な動画見せてもらったよー面白かったー」
「どんな動画だよ....見たことないけど....
まあ、キムソヨンの件はもう大丈夫そうだね？」
「うん、最近なんか気にならなくなった」
ギョンスの「よかった」という声が、耳元で聞こえた。
本当に、ギョンスは親というか....暖かく私を包み込む何かががあるなあと思う。
キムソヨンとチャニョルくんが仲が良かったのはまさに束の間、だった。
何度か話しているところは見ていたけど、ベッキョンくんのおかげで気が逸れて気にならなくなっていた。
それに、今では全く話してないみたいだし、少し安心というか、満足している。
ただ、チャニョルくんの行動や全てが、ますます理解できなくなっている。
未だに朝勉強も再開していないし、あまり話せなくなってしまった。
だけど、これでいいんだと、自分に言い聞かせている。
今でも少しは、ときめくけれど、こうやって少し遠くで眺めているくらいが丁度いいんじゃないか。チャニョルくんを知れば知るほど傷つくんじゃないかと。
ギョンスや友達、そしてたまにベッキョンくんがいれば、私は幸せってことかなと思い始めてる。
「あ、ギョンス、明日課外終わったら待ってるから一緒に帰ろうよ」
「あー、チャニョルはいいの？」
「え？ うん、何もないけど」
「ああ、そう？ じゃあ教室にいるから」
「うん」
チャニョルくんと帰っていたことを知ってたの...?
疑問に思いながらギョンスとの電話を切る。
いつもなら「嫌だよ」とか言いそうなのに随分と従順で、切った後思わず笑ってしまった。
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作者名：よるちー | 作成日時：2016年8月13日 1時
