white 67 ページ34
「俺はずっと、Aちゃんのことが好きだった。だけど俺に気がないことも....ギョンスが、Aちゃんのこと好きなことも分かってた。
だから、スヨンに復縁したいって言われても断らなかった。俺は好きでもないような人とすぐ付き合うような、薄っぺらい人間だよ」
ああ、この人、寂しかったんんだなと直感で思った。
「私には理解できないけど....スヨンちゃんを断らなかったのはチャニョルくんなりの理由があったんでしょう？」
そういうと、チャニョルくんは目を潤ませた。そしてついに、涙が落ちると、私にやっとはなしてくれたのだ。
「どうしていいか分からなかった。
ギョンスがAちゃんのことを好きだったことは、なんて言う名前の人かは知らなかったけど知っていたから。
相手がAちゃんだって知った時、自然と駄目だ、と思った。 ギョンスは俺にとって、俺を理解してくれる唯一の友達だったから、打ち明けることなんてできなかった。
もちろん、大事なギョンスの好きな人を奪うこともできなくて。」
「だからもどかしさと寂しさから俺はまた女性に助けを求めてしまった。だけどこの前、Aちゃんの気持ちが分かって、本当にどうしようもなくなってしまって、キスした」
涙ながらに語られたそれは、見せないチャニョルくんの大きな心の溝がひしひしと伝わるものだった。
チャニョルくんはいつも一人で悩んでいた。
あんなに自分を知ってくれている実感はあったのに、彼のことは全然分かっていなかった。
私がもっと早く気付いていればよかったのに。
ただ、今この時、自分を好いていてくれることが伝わって。
本当にいけないけど、幸福な気持ちだった。
「Aちゃんがまた話をしてくれ始めた後もずっと好きだった。けど、ギョンスにも幸せになって欲しいと思ってた。
....俺はそんなのずっと前から、Aちゃんのことが好きだよ」
恥ずかしそうに、でもそうはっきりといった。
言い終わった後、なぜだかチャニョルくんの涙が再び溢れ出した。私は初めて、こんなに尊い人がいたんだ、と実感した。
私はこんなに幸せな気持になってもいいのかな。と、ふと思ったが、私もいつの間にか流れた涙でそんな迷いは消えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よるちー | 作成日時：2016年8月13日 1時
