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課外が終わり、足早に教室を出て行ったチャニョルくんの姿を視界に入れて、ジヨンさんと一緒にじゃなかったことに少し安心した。
私もそれに続くように一人で教室をでた。
チャニョルくんはもう見当たる場所にいなくなっていたから私は一人で昇降口に向かった。
すると丁度東棟側の階段からやってきたギョンスと鉢合わせた。
これまでと違った緊張感でずっと心臓が速く動いていた。私はすぐに目をそらしてあっちを見たりこっちを見たりと落ち着かなかった。
「A、これから帰る？」
「う、うん」
私が意識していることは丸分かりだった。
自然と一緒に帰ることになったけど、私はその場から逃げたくて仕方がなかった。
いつもなら私から話すか、ギョンスの話を聞き出すのに、それさえもできなかった。
彼を、受け止めたいのに、受け止められない。
そう考えた時には、ギョンスが震える声で話し始めていた。
「A....この前の話は忘れて欲しい」
「え？」
始めて今日、ギョンスをちゃんと見た。
彼は一度も見せたことがないような、苦しそうな表情で私をじっと見ていた。
「その調子でいられたら、結構きついよ」
「あ....いや、ごめん」
「Aはたまにそういうところがあるよね」
そういうところ.....その言葉が襲いかかってきてめまいがしそうだった。
私のそういうところってどういうところがなんなのか、分かりもしないのにこんなに傷ついているということは、ギョンスの言うことが正しいと、直感的に感じているからだろうか。
＊＊＊
思い返せば昔からそうだった。
両親は私の難しい性格によく不満を漏らしていた。
"あんたは愛想がないね"と。
確かに両親共働きでコミュニケーションが無かったことが所以で、何かを相談することもなかったし、いつの間にか感情を表現することが苦手になっていたかもしれない。
誰かに聞いてほしいという叫びが友人に向いてしまったのだろう。
私はいつの間にか、自分のいい時だけ利用して、それ以外は態度が悪くなっていたんだろう。
そんな不器用な自分が情けなくて仕方なかった。
だんだん落ち込んで行ってまた自分の中で自問自答が始まるのかと思うと、私に逃げ道なんてないんだろうな、と悟った。
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作者名：よるちー | 作成日時：2016年8月13日 1時
