シアンに溶け合う白と黒2 (ページ13)

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「ギョンス、」

教室の前でギョンスを待った。

A、という声が聞こえて私はすぐに振り向いた。

おかしな私を察したのかギョンスがすぐに大丈夫？と声をかけてくれた。

学校で話すと誰かに話しを聞かれそうな気がして、私は歩きながら話すことにした。

「何かあった？キムソヨンのことで？」

「ううん、チャニョルくんのことなんだけど」

ギョンスは驚いた様子だった。
チャニョル？と聞き返すと私をじっと凝視していた。

私はまた思い出して泣きそうになった。

すがるような思いで、今日聞いたことを大まかに説明すると、ギョンスが黙り込んでしまった。

「ごめんね、何でもかんでもいっつもギョンスに聞いてもらって」

これに関しては決して悪気などなかった。

本当に申し訳ないと思ったからそういったし、とは言ってもいつものギョンスなら、ちゃんと答えてくれるだろうという自信があった。

でも、返答は予想とは反するものだった。

「ねえ、Aはチャニョルのことが好きみたいだよ」

「え？」

まさかそんなこと言われるとは思っていなくて、心臓が早く動き始めた。

私の申し訳ないという気持ちが好意に聞こえるのならば、少し不服だ。

「やめてよギョンス」

笑って流してしまおうと思ったのに、ギョンスがやけにかなしげに、見えた。

いつもとは違う気がする、ギョンス。