9.心のアルバムは語る ページ13
Aside
お母様はいつも怒ってばかりだった。
父は早く亡くなり、女手ひとつで育ててくれた。
でも、誕生日には必ず欲しいプレゼントをくれて。
大好きなブルーベリーチーズケーキをかってきてくれた。
海水浴に行きたいって学校の日記に書いて、飾られたのを見たお母様は、日焼け止めクリームをペタペタ塗りながらも連れてってくれた。
熱を出した日は、茶道の講談会をキャンセルしてまでずっとそばにいてくれた。
小学生までは、たくさんのやさしさを
もらった。
中学生になって、偏差値の高いとこに入ったら急に《なんでも自分でできるでしょ？》と言いたげな目で見てくるようになった。
祖母のゆかりが言っていたことを思い出した。
母と父が結ばれたのは、母が人一倍努力家だったからだと。
母も、こんな思いをしたのだろうか。
こんなにも辛い思いを。
ヒロさんが言っていたこと。
『家族のカタチはさ………………。』
これが、お母様の愛情………。
家族のカタチ………。
プリズムショー………。
プリズムショーで伝えたい。
歌詞も、新しく、お母様に向けて作りたい。
コウジさんたち……。またお願いできるかな………。
聖さんにまず、相談しなきゃ。
案の定、
聖「勿論いいよ。日程は△月■日。２週間後。駅のリンク広場で。じゃあ、僕は礼拝堂に行くから。すまないね。」
コウジさんたちも受け入れてくれたし、ヒロさんやカヅキさんもレッスンに快く引き受けてくれた。
さぁ、歌詞を考えるぞ！！
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作者名：ぺんぎんふらっぺ* | 作成日時：2018年6月30日 15時
