異世界はチートとともに。【イセスマ】 (ページ34)

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異世界33 ページ34

窓越しに遠くを見てみると、大きな滝を背にそびえ建つ
白いお城と高い城壁が見えた

王都アレフィス…滝から流れ込むパレット湖のほとりに位置する
この国の首都で「湖の都」とも呼ばれる。
ユーロパ大陸の西方に位置する此処ベルファスト王国は、
過ごしやすい気候と善政をしく国王のおかげで比較的平和な国だ

あらゆる検問所はスゥとレイムさんの顔を見られるだけで、
チェックされることなく通ることが出来た

レイム「この橋を渡った先が、貴族たちの住居なのでございます」

庶民エリア、貴族エリアと別れているわけか
綺麗で立派な屋敷が建ち並ぶ通りを抜けて、
やがて馬車は大きな邸宅の前に出た
敷地の壁がこれまた長い…やっと門前へ辿り着くと、
五・六人の門番たちが、重そうな扉をゆっくりと左右に開く

玄関前で馬車が停まり、スゥが扉を勢いよく開けた

「「「お帰りなさいませ、お嬢様！」」」

スゥ「うむ！」

ズラッと並んだメイドさんたちが一斉に頭を下げる
このメイドさん達の声色からして、心から安心して喜んでいるようだ

レイムさんに促され、馬車を降りて玄関をくぐると、
正面にあった赤い絨毯を敷いた大きな階段から一人の男性が駆け降りてきた

「スゥ！」

スゥ「父上！」

スゥは男性の元に一直線に駆けて行き、勢いよくその胸に飛び込む

アルフレッド「良かった。本当に良かった…！」

スゥ「大丈夫、わらわはなんともありませぬ。
　早馬に持たせた手紙にそう書いたではないですか」

アルフレッド「手紙が着いたときは生きた心地がしなかったよ…」

安堵した私は静かに和む
こういう親子の面を見るのは嬉しいものだからな

アルフレッド「君たちが娘を助けてくれた冒険者たちか。
　礼を言わなければな。本当に感謝する、ありがとう」

そう言って公爵が私達頭を下げた

罪歌「頭を上げてください。
　私達は当然のことをしただけなんですから」

アルフレッド「謙虚なんだな、君は」

そう言って公爵は私の手を握り、握手をしてくれた

アルフレッド「改めて自己紹介させてもらおう。
　アルフレッド・エルネス・オルトリンデだ」

罪歌「七宮罪歌です。
　罪歌が名前で七宮が家名です」

アルフレッド「ほう、イーシェンの生まれかね？」

そのフレーズは流石に飽きましたよ；