白と黒35 ページ36
乱歩「……もし思い出してたり、憶えてたらどうするの?」
サクヒ「……記憶を消します。
思い出しても、私がいなくなった事にショックなはず…
憎悪や恨み等が募るでしょう…
せめて、他人という設定で傷つけられる方が断然いいんです。
絶対に私の存在を思い出させたりは出来ません」
乱歩「自分を手放す事に慣れてない?」
サクヒ「慣れてるのでしょうか…
暴力を振るわれる事には慣れていますが」
福沢「………(ギュッ」
サクヒ「!社長…?」
福沢「自分を手放すな…それは私達が辛い事だ。
当然お前自身もな」
サクヒ「……何度も言われていますよ、それは…
でも…大切なものを守る為ならば…
どんな代償を支払おうとも、全てを手放す事になろうとも…
守る為ならば、喜んで差し出しますよ(微笑」
久作「サク姉…やだよ…(ギュウッ」
サクヒ「!久作?」
久作「サク姉とずっと一緒に居たいもん!
サク姉が何かを手放したら、僕がその分拾うもん!
拾えないものなら、代わりにならなくても守れるものを
拾ってサク姉にあげる!だから、離れちゃやだ!」
サクヒ「っ……」
あぁ……私はこの子を独りにしてしまう所だった…
孤独にはしないと誓ったのに……いきなり破ろうとしていたなんて…
こんな私に「離れないで」と願ってくるなんて…
この子は私の大好きで大切な弟…
せめて久作だけでも、最期まで共に居よう
久作の人生はまだ進められる…この子を支えるのは私なのだから
サクヒ「ありがとう、久作…(微笑+涙目」
ギュウッ
久作「サク姉、大好き(ギュー」
サクヒ「私も大好きです(ギュー」
福沢(微笑
乱歩「僕もギューしたーい」
サクヒ「えっと…久作の前に行ってもらえますか?」
乱歩「?」
トコトコ
サクヒ「久作、ゴーです♪」
久作「はーい♪ギュー♪(ギュウッ」
乱歩「一列だね〜www」
福沢「この光景は良いものだな(微笑」
サクヒ「社長、お兄ちゃんみたいなセリフですね。
和風で優しいお兄ちゃんなのです♪」
福沢「私みたいな老いぼれが兄なのか?」
サクヒ「?何歳ですか?」
福沢「45だ」
サクヒ「え…普通に20代後半から30代前半かと…」
乱歩「僕とは逆なんだよ〜」
サクヒ「あ、成程…」
久作「福沢さんがお兄ちゃんなら、名字は誰のに変えるの?」
福沢・乱歩「私だ/僕だよ」
サクヒ・久作「……ん?」
今、声重なった?
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作者名:神城イサナ | 作成日時:2019年1月22日 6時