異世界の縁と絆23 ページ26
煉架「さて、試練に入りますか」
大兎「そうだな―――試練は、アイツを内側に戻して耐えること」
煉架「！やはり、あの子も外に出ていたのか」
ミコト＜ギリギリまで人間として馴染ませる必要があったからね…
今回は特例みたいな感じさ＞
煉架「なるほどな……あの子は何処だ？」
大兎「此処に居るよ。正確には、この空間に溶け込んでる」
煉架「そうか…試練を受けるよ」
大兎「分かった(コクッ」
ミコト＜試練開始＞
カルデアからの通信が強制遮断され、試練が開始された
ズズズッ トッ
周囲が黒色に染まっていき、天井から降りた黒い狼が私と目を合わせた
黒狼「煉架……」
煉架「久しぶりだな…黒狼」
大兎の中に居る黒ウサギとルーツが同じで生まれた相棒の一人である黒狼
生まれたキッカケや力が同じ存在の狼だ
黒ウサギと同じく人型で、この子は狼の擬人化と大差ない子供姿だ
まぁ、あの場に私も居たから同類として生まれたなら当たり前だけども
黒狼「ああ…会いたかった(ギュウッ」
煉架「うん…私も会いたかったよ(微笑+ナデナデ」
こうやって撫でたのは貴重かもな…本来なら外に出られないから
黒狼「……オレを戻して大丈夫なのか？」
煉架「今生での事を考えたら、危険な確率が100%だろう。
だが、今更あなた達と離れたいと思わない…思った事もない。
どれだけの苦痛だろうと、何回死ぬとしても耐えて見せるさ(ニッ」
黒狼「！まったく…改めて納得出来るよな(溜息
傲慢でありながら傲慢ではない…それが煉架の「魔道」だってな(苦笑」
煉架「それが私だからなｗｗｗ
それじゃ、戻って来てくれ(優笑+腕広げ」
黒狼「家に帰ってきた感覚なんだから、
無理しない程度に頑張ってくれ(ニコッ」
抱き着いたままの黒狼が私の中…そして意識にも入り込んだ
ドクンッ
煉架「ぁ…ぐ……っ！(ガクッ」
大兎「煉架！！」
ミコト＜煉架、ボク達が居るからね！！＞
煉架「ぅ……が、ぁ……うあぁあああぁあああ！！！」
黒狼の存在が戻った事で、強烈な痛みに襲われる
同時に黒狼としての姿になり、体が浸食されていく
暴走するな！
自分の取り戻そうとしているモノを手放すな！
巡った異世界を…思い出を…縁と絆を…断ち切って消そうとするな！
ズズッ ズズズッ
大兎「！」
フッ ドサッ
大兎「煉架！！(抱き起こす」
煉架「っ…たい、と……私、頑張ったよ…(微笑」
これで、存在が少し安定に傾いたからね……
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作者名：テナ | 作成日時：2019年6月29日 15時
