七十八話 ページ21
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彼等の声や物音がだんだんと聞こえなくなっていく。
一つの部屋の前に立ち、ゆっくりと襖を開けた。
朝見たままの状態で彼は眠っている。
彼の枕元に先程死守して来たおにぎりを置き、
少し離れた処に腰を下ろす。
壁に寄りかかりながら持ってきたおにぎりを一つ手に取り頬張る。
鮭だ。
もぐもぐと食べながら視界の隅にうつるものを見ると、昨日置きっ放しにしてた医学書があった。
…すっかり忘れてた。ベポに渡してない。
おにぎりを持っていない片方の手でそれを取り、1ページ目を開く。
パラパラとめくりながら速読し、本を閉じた。
ベポはこんなのに興味があるのか…鍛冶とはまた違って面白そうだが、やろうとは思わないな。
本を横に置き、ぼーっとしながら次のおにぎりを食べる。
口の中に広がる酸っぱさに口がキュッとなった。
今度は梅干しだ。
『…それにしても酸っぱ過ぎやしないかこれ。』
襲撃に耐えながらも二つ目を平らげた。
残りの一つに手を伸ばした時、すぐ近くから布をこする音がして バッと前を向くと
彼が上半身を起こしたとこだった。
『目覚めたか…』
「……！！…此処は何処だ」
僕に気付くと睨みながらこちらを見る。
ますます師匠に似ていて驚くが、すぐ平常心に戻る。
『此処は僕の家だ。なんだ？休みたかったんじゃないのか？』
「……俺はお前の味方じゃないのは分かってるはずだ。」
『…あァそうだ。あの場で殺 そうと思ったがやめた。』
そう言ってもまだ睨み続ける彼に 当たり前か。と思う。
一度倒しに来た奴を、そう簡単に信じるやつはいない。
自分が一番よく分かっているはずだ。
『君のお仲間さん、今トラジー達と飯食ってるよ。
別に 信用しろ とか 僕に従え だなんて言ってないし、好きにさせてる。』
壊したとこは直させたけど。と付け足す。
「…俺に借りを作らせて何か企んでるのか」
『企む？』と彼の言葉を反復して笑う。
それに驚いたのか目を見開き、先程よりも強く睨んでくる。
『「企む」ねェ…ククッ、何も企んじゃいないさ。
なんで僕が自分より弱い奴に貸し作ってなにしようって言うんだ……っ』
「じゃあ何故手当までして『気まぐれ』…！？」
『気まぐれだ。気が変わったから…まぁ、君が知り合いに似てたからってのもあるけどね。』
笑混じりにそういうと怒る気が失せたのか
短めの溜息をつかれた。
…あれ、僕いろんな人に溜息つかれてない？
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YUNASIKA - 黒豆さん» アイアイキャプテン( *｀ω´((殴 (2014年9月14日 19時) (
レス) id: 71963e7d09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆(プロフ) - YUNASIKAさん» いい話だなんて…(´；ω；｀)嬉しすぎてどうにかなりそう←コメント＆リクエストありがとうございます！！またリクエストしてくださいね！！ (2014年9月14日 19時) (レス) id: 1a70327a4c (このIDを非表示/違反報告)
YUNASIKA - 黒豆さん» みました！あと、読みました！いい話だ(;_;)←←← (2014年9月14日 19時) (レス) id: 71963e7d09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆(プロフ) - YUNASIKAさん» oh！そんなところまで見てくださってたんですね！リクエストして貰ったりで、本当に嬉しいです！ありがとうございます･*･:≡( ε:) (2014年9月14日 1時) (レス) id: 1a70327a4c (このIDを非表示/違反報告)
YUNASIKA - 黒豆さん» もちろんですとも！黒豆様のモットーである気ままにマイペースで更新してください！待ってますから(*^^*) (2014年9月13日 21時) (レス) id: 71963e7d09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒豆 | 作成日時：2014年8月24日 8時
