31話 ページ32
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父に褒められて嬉しくなっていたからか、
空き缶を潰すことなんて、その時は容易に出来た。
芝生を潰さないようにと資材置き場から持ってきたレンガをも割る勢いで
ドンドンと潰してはゴミ袋へと入れて、次の缶を立てては潰すの繰り返し。
それを見ていた父が、不安げに声を掛ける。
「…。そろそろ休憩するか？
そんなに"個性"使ったら倒れてしまうよ」
『ううん、だいじょーぶ！まだやれるよっ
ｼﾞｼﾞｯ
…？』
父に向かってそう言うのと同時に、
耳元で機械音のようなものが聴こえてきて左右に首を振る。
特に何もないと判断して、缶を手に取った。
「…！？(なんだ！？髪が黒く……)」
『〜♪』
「A!やめなさい!!」
『……？おとうさ、』
近くにいた父の声が、何故か遠くから聞こえてきた。
何かあったのだろうと、父の言う通りに"個性"を使うのをやめようとしても、
何故か
あれ？"個性"って どうやって止めるんだっけ？
力を抜くんだっけ？なんて考えながら、身体の力を抜こうと深呼吸した途端、
膝をついて四つん這いに倒れ込んだ。
「A！…どうした、大丈夫か？」
『……』
おとうさん、と呼ぼうにも声が出ない。
口や手を動かそうにも言う事を聞かない。
自分の意志とは裏腹に立ち上がり、
父に向かって口元を歪めながら手をかざす。
『……ヒヒッ』
「っ！！」
『どんっ』
自分でも何をしているか理解出来なかった。
数秒経って理解出来たのは、
目の前にいる父に向かって"個性"を使っていることだけだった。
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すばる(プロフ) - 遥燈さん» コメントありがとうございます！！！わたくしも、かっちゃんが尊いです笑 近々更新しますので、もうしばらくお待ちください！！ (2017年6月18日 21時) (
レス) id: d8ed81e829 (このIDを非表示/違反報告)
遥燈(プロフ) - この話大好きです！かっちゃん愛おしいよおおおおお！！…失礼しました笑更新楽しみにしてます。 (2017年6月18日 14時) (レス) id: af6572da72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すばる | 作成日時：2017年1月10日 17時
