犬が四十四匹 ページ9
「おや？フェール先生、今日はお疲れのようですね」
『ん？あぁ、リーチ君か。昨日少し、いろいろ……あってね』
「へぇ〜イシダイせんせぇと楽しいコトしてたの？」
『楽しくなんてなかったよ……』
「？そうなんですか？腰の具合はいかがです？」
『腰？どうして腰なんて………って、そういうことか…』
「あれぇ？せんせぇ全然赤くなんねぇ。つまんねぇの」
いつも腰が痛くなるのはデイヴィスのほうだよ
というのはデイヴィスに怒られそうなので言わないことにしよう
『今はね……全くそんな気分になれないんだよ。もし今日デイヴィスに会う予定があるなら彼の様子も伺ってご覧。彼も同じようになっているから、きっと』
「ふむ……僕は今日錬金術があるので見ておきます」
『あぁ、そうするといい。あと、二人とも』
「な〜にぃ？」
『何か企んでいないだろうね』
「！おやおや。先生、僕たちが何をすると？」
『僕は、企んでいないかを聞いているんだよ。今年は生徒が助けを乞うてこないからね。例年であれば一週間前には分からないことがある生徒が来ていたのに、今年は2日前の今日まで誰も来ない。何か知らないかな？』
二人が顔を見合わせるのを見た僕は、もっとオクタヴィネルを怪しく思った
「俺知らねぇ〜」
「アズールに聞いてみてはいかがでしょう。オクタヴィネルの決定権は彼にあるので」
『アーシェングロット君にも今朝声をかけたよ。でも、はぐらかされてしまったからね』
「そうでしたか」
ニコニコと笑うばかりで答える気はないようだ
………まぁ全てに首を突っ込む必要はないだろう
『ほら、授業に遅れてしまうよ。早く行きなさい』
「せんせぇまたねぇ」
「お邪魔しました」
邪魔だとわかっているなら来ないでほしい……
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作者名：Dオタの極み | 作成日時：2020年10月26日 22時
