賢い狐にご用心 (ページ3)

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犬が一匹ページ3

side無し
　
　
　
『…今日も目覚ましより早く起きてしまった』
　
　
　
　
　

　
現時刻、朝4時
　
　
　
目覚ましに設定されている時間、朝5時

　
なかなか、昔の癖は抜けないものだ
　
　
　
　
『僕が寮長だったのは14年も前だというのに。はぁ……いっそあの頃に戻れたら』

　

　
ぶつぶつと一人文句を言いながらも、身支度を整えていく
　
　
　
顔を洗い、着替えをし、コーヒーを飲む
　
　
　
これが彼のルーティンだ
　
　

　
　
『今日の予定は確か……二時限目の実践魔法と五時限目の変身術。だったかな。放課後はデイヴィスの手伝いもあったね』

　
　

　
首についたチョーカーに触れながら、今日の予定の確認をする
　
　
　
　
これは彼が考えるときの癖だ
　
　

　
それと、一人のときに思っていることを全て口に出すのも彼の癖である
　
　
　
　
『さて、始業時間まで何をしようか。あ、植物園の様子でも見てこよう』
　
　
　

　

　
そう言うと、他の教師に気を遣い、静かにドアを開閉させて
　
　
　
　

　
まだ薄暗い校舎の中を歩き出した
　