＊夏の夜２＊ ページ31
なんで…だろう…。
なんで……。
駅に着いたら
西畑くんが改札で待っててくれて…
『廉、寝とる(笑)』
『マジで？起こさなきゃいけないじゃん！
私が耳元で大声で叫んであげようかな？』
『近所迷惑やて。Aちゃんが呼べば即起きるやろ。ずーっとAちゃんの名前連呼してたし』
『連呼って…恥ずかしい…』
『ずーっとAちゃんの自慢しとったわ。
一緒に暮らすんめっちゃ楽しみやーって。
気分が良くてちょっと飲みすぎたんかもな』
『そっか…。
それは嬉しいんだけど…すごく恥ずかしい…』
お店に着いたら、
なぜか廉はいなくて…
『あれ！？廉は？』
『永瀬先輩ならトイレ行きましたよー』
『起きとったんやアイツ。なら起こす必要なくなったな。待ってよか』
『うん。歩けるようなら良かった』
お店で待ってたんだけど、
ちっとも戻ってこなくて…
『全然戻ってこないね…』
『なんか…おかしない？』
『まさかトイレで倒れてるとかじゃないよね？』
『ヤバいな。ちょっと見てくるわ』
そしたら…
『あかん。トイレにおらへん！』
『ええぇ！？どこいったの？』
『廉…探しに行く！』
駅ビルの中をみんなで手分けして探すことになった。
…廉は私が見つけた。
別のフロアの片隅で。段ボールが積まれた倉庫の前にいた。
無事だった。
…無事だったけど…。
「…なに…してるの……？」
ダンボールにもたれる廉に寄り掛かる身体。
廉の頬に触れる整えられた指先。
誰かの唇と重なった廉の唇…。
声に気づいたのか、
身体が動き、こちらに向けられた顔に戦慄した。
「あなたは…」
「見られちゃった」
廉にキスをしていたその子は私を見て、悪びれることなくむしろ勝ち誇ったように微笑んだ。
「どうして……こんなこと…」
廉は眠っているようで、
何をされたか気づかないようだった。
「泣いてる？流石にショック受けてるか」
立ち上がり、臆することなく私の前に来た根岸さんは
知らぬ間に頬を流れ落ちていた涙を見ると
満足そうに笑った。
「なら良かった。狙い通り」
「どういうこと…？」
「全然相手にしてくれないんだもん。仕返し」
それだけ言うと根岸さんは去っていった。
「…ん…」
その場で
動けないままでいると、
廉の体が動いた。
「A…なんでおんの？
来てくれたん…？」
目を覚まし、
私を見て微笑んだ廉の唇は…
紅く汚れていた。
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かな - 続きが読みたいです、、 (7月24日 6時) (
レス) @page50 id: 7200219c9a (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - 更新すごく嬉しいです😭ずっと待ってました…ほんとに描写が綺麗すぎて、わたしも紫耀くんにこんなふうに思われたいです😭 (2023年5月4日 9時) (レス) id: 180ecb31f5 (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - 一気に読んでしまいました！惹き込まれるくらい素敵なお話です！更新楽しみにしてます！ (2023年2月19日 11時) (レス) id: 4cb7560b67 (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - 宝物みたいに好きなお話です。更新ほんとに嬉しい（涙）ありがとうございます (2023年2月8日 14時) (レス) @page44 id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - 更新すごく嬉しいです（涙）ずっと待ってたので（涙）ありがとうございます (2023年1月29日 9時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2021年6月17日 11時
