＊噂話＊ ページ3
その話を聞いたのは、梅雨時のどんよりとした雲が空を覆っている日だった。
誘われて行ったカフェで、先に待っていたエリちゃん。
「エリちゃん！久しぶりー！」
エリちゃんも私も、４年になって内定をもらってからは日々バイトに励んでいたから会えるのは久しぶり。
嬉しくてテンション上がってた私とは対照的に椅子に座って深刻そうな顔をしていたエリちゃんが私の顔を見るなり、
「ねぇ？Aたち、別れてないよね？」
と言ってきて、
「え？私たちが別れた？いつ？」
あまりの驚きに聞き返してしまった。
別れた？
ついさっき廉とは電話したばかりなのに？
今度の週末に泊まりで旅行を計画してるのに？
「ごめん。聞いた私がバカだった。
そうだよね、ふたりが別れるわけないし。
だとしたら私が知らないわけないもんね」
私の反応に、エリちゃんは深刻そうだった顔つきを一変させ笑顔になった。
「うんうん。何でそんなこと聞いてきたの？」
「いや、後輩に聞かれたのよ。大学でそういう噂が回ってるらしくて」
噂？
私たちが別れたと？
なんで？
っていうかそもそも待って。
「私たちのことが噂になるの？」
「なるよ。結構有名なんだよ２人」
「ええぇ！？なんで？」
「……もう、無自覚なんだから…」
エリちゃんは呆れたようにおでこに手を当てた。
「だって私たち別に目立つようなことしてないよ？」
「何もしてなくても目立つの。
廉くんが有名なのは知ってるでしょ？
その廉くんが彼女と歩いてたら必然的にみんな見てるのよ」
「あぁ、そういうことか…」
もう慣れたけど、２人で歩いてるといつも視線感じるもんなぁ…。
付き合い始めた頃は女子からの目線が怖かったっけ。
「でもまぁ、最近廉とは大学で会わないからそう思われても仕方ないかもね」
「廉くんインターンだっけ？」
「そうそう！なかなか会えないんだー」
廉は内定後インターンシップをしている。加えて塾講師のバイトもしてるし、
私も、授業がないからと暇してるのはもったいなくて、家の近くにあるカフェでバイトを始めたから、お互いに忙しくて会う時間は減っていた。
「気をつけなよ？」
エリちゃんは身を乗り出し私の目をじっと見つめてきた。
「どうして？」
「そんな根も葉もない噂話が流れてるの、嫌な予感がする」
「嫌な予感…？」
聞き返した時、店の外では突然の大雨が降り出してきていた。
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かな - 続きが読みたいです、、 (7月24日 6時) (
レス) @page50 id: 7200219c9a (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - 更新すごく嬉しいです😭ずっと待ってました…ほんとに描写が綺麗すぎて、わたしも紫耀くんにこんなふうに思われたいです😭 (2023年5月4日 9時) (レス) id: 180ecb31f5 (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - 一気に読んでしまいました！惹き込まれるくらい素敵なお話です！更新楽しみにしてます！ (2023年2月19日 11時) (レス) id: 4cb7560b67 (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - 宝物みたいに好きなお話です。更新ほんとに嬉しい（涙）ありがとうございます (2023年2月8日 14時) (レス) @page44 id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - 更新すごく嬉しいです（涙）ずっと待ってたので（涙）ありがとうございます (2023年1月29日 9時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2021年6月17日 11時
