選択肢 ページ47
こうする他にやり方が分からなかった。
翌月末に辞めさせてほしいという私の非常識な申し出に課長はびっくりしていたけど、私の意思を尊重してくれた。
紫耀くんに知られたくなくて、最低限の上司にしか伝えていなかったから、森本さんを泣かせてしまったことが悔やまれるけど、、
けど、、これでいいんだ。
「よっとと…」
いつの間に用意してくれたのか、挨拶をした時に課長が渡してくれた花束を落とさないように帰りの道を歩いた。
両手に抱えるほど大きな花束なんて、大学卒業したとき以来。
サークルの後輩が渡してくれて、嬉しくて泣いちゃったんだよなぁ。
その時も隣には廉がいて、泣きじゃくる私を「子供みたいやなぁ」なんて笑いながら優しく見守ってくれてた。
廉、あのときのこと覚えてるかな。
「廉……」
…廉は反対しないでいてくれた。
『廉…私、仕事辞めてもいい？』
『Aの好きなようにしたらええやん。
結婚資金も貯めてるしまぁ大丈夫やろ！俺の給料でやりくりする練習やな！』
なんて、笑いながら言ってくれた。
そんな廉に対して、これ以上後ろめたい気持ちを抱えたくない。
…どうしても割り切れない。
意識の外に追いやっても、姿を見かけるだけであっというまに意識の中心に戻ってきてしまう。
だったらもう会わないようにするしか…
私にはできない。
帰り道の途中にある小さな公園では子供達が走り回っていた。
お母さんたちは子供達から少し離れたところで談笑している。
私も、あの景色の一部になりたい。
だから………
ポケットの中でスマホが震えた。
取り出して見てみると、
ホーム画面に表示されたメッセージに顔が綻んだ。
廉今日もう家にいるから
朝は何も言ってなかったのに。
早めに帰ってきてくれたのかな。
廉にこの花束見せたらどんな反応するだろう。
帰った後のことを想像したら、急速に期待感が膨らんで、
早足になったそのとき、
「仁村さん！！！」
背後で、
公園にいた鳥達が飛び立つほどの大声が響いた。
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こころ(プロフ) - 切なすぎて読むのが辛かなってきました…でも希望を捨てずに読みたいと思います(^ ^) (2021年5月28日 17時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 更新嬉しいです！この先も楽しみにしています。紫耀くんの恋心が報われますように。 (2021年5月16日 3時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - ピナパルさん» 本当ですか！？なら良かったです^ ^話はそれますがこのお話大好きです！！めちゃくちゃいい話できゅんきゅんします！！お互いに更新頑張りましょ！！ (2021年3月14日 8時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
ピナパル(プロフ) - そらぃさん» はじめまして。まったく気にしていないので謝っていただく必要ありませんよ！むしろわざわざ教えていただいてこちらこそ申し訳ありません>_<どうか気になさらず更新頑張ってください！(明るく言える立場じゃないのですが…) (2021年3月13日 16時) (レス) id: 9e85fabcef (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - 本当に申し訳ございません（涙）小説を私書いてるのですが、そのタイトルが桜が舞う季節になんですけどピナパルさんのこの小説とタイトルが似てしまっていて、、大変申し訳ないです…気付きませんでした。。差し支えがなければこのままにしますが…よろしいですか？ (2021年3月13日 13時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2019年12月29日 8時
