待ち合わせデート ページ42
スーツ姿の廉が息を切らして時計広場に来たのは、私が着いてから10分後のことだった。
「廉、おつかれ」
「おん、待たせてごめんな」
「待ってないから大丈夫だよ。むしろ私の方が家に寄ってたから待たせたらどうしようかと思ってた」
会社を定時であがると駅に行く前に家で着替えてきた。
久しぶりの待ち合わせデート。
自然と気合が入るのは新鮮さを失っていない証拠。
と、いうか、一緒に暮らしてるからこそ、別々の場所から待ち合わせるのが新鮮で楽しい。
いつだったか、廉が似合うよと言ってくれたワンピースに、お出かけ用のメイクに直してここまで来た。
「着替えてきたんや。俺、そのまんまやわ」
「会社帰りだもん当たり前でしょ？廉のスーツに合わせてきたの。普段着だとスーツの人と釣り合わないもん」
「釣り合う…か。確かに、最近飯行くのも近所ばっかやったもんな。俺もAも普段着でさ」
「でしょ？こういう待ち合わせデートなんてなかなかしないから、ちょっと気合入れちゃったよ」
「なんや気合って」
廉はツッコミみたく言いながらもその顔は笑っている。
「女はこういうのが嬉しいの」
「そーですか。女心はよー分からんわ。
ほんなら行こっか！」
「うん！」
一言余計なんだから、なんて思いつつも、私に向けられた廉の手を握り返すとその手は少し汗ばんでいて、
「仕事終わってすぐに来たの？」
「まぁなー」
息を切らしながらも私を見つけた時に微笑んだ廉を思い出して、始まったばかりのデートが更に楽しくなっていた。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
「これ、美味しい！」
「やろ？ほんま美味いんやって」
廉が連れてきてくれたのは、会社の近くにあるお洒落なフレンチレストラン。
メインで運ばれてきたレアで焼かれた牛ヒレ肉が感動的な柔らかさと美味しさで、声を出さずにはいられなかった。
「廉、よくこんな素敵なお店知ってたね」
「先輩に教えてもらった。ほら、営業の接待は女性相手の時もあるから、こういう店知っといた方がええって」
「へぇーー。先輩、飲み会だけじゃなくて実用的なことも教えてくれるんだねぇ」
「当たり前やろ(笑)この辺の店、競合が多いからかみんなレベル高くてさ。他にもいろいろ良い店あるんやけど、ここは特に前からAと来たかったんよ。…やっぱ美味いわ」
廉は大きく切ったお肉を頬張ると口をモゴモゴさせながら、間違いない味にウンウンと頷いた。
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こころ(プロフ) - 切なすぎて読むのが辛かなってきました…でも希望を捨てずに読みたいと思います(^ ^) (2021年5月28日 17時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 更新嬉しいです！この先も楽しみにしています。紫耀くんの恋心が報われますように。 (2021年5月16日 3時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - ピナパルさん» 本当ですか！？なら良かったです^ ^話はそれますがこのお話大好きです！！めちゃくちゃいい話できゅんきゅんします！！お互いに更新頑張りましょ！！ (2021年3月14日 8時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
ピナパル(プロフ) - そらぃさん» はじめまして。まったく気にしていないので謝っていただく必要ありませんよ！むしろわざわざ教えていただいてこちらこそ申し訳ありません>_<どうか気になさらず更新頑張ってください！(明るく言える立場じゃないのですが…) (2021年3月13日 16時) (レス) id: 9e85fabcef (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - 本当に申し訳ございません（涙）小説を私書いてるのですが、そのタイトルが桜が舞う季節になんですけどピナパルさんのこの小説とタイトルが似てしまっていて、、大変申し訳ないです…気付きませんでした。。差し支えがなければこのままにしますが…よろしいですか？ (2021年3月13日 13時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2019年12月29日 8時
