＊内定攻防戦＊ ページ34
内定をもらったのは大学４年の５月のこと。
「えー？あそこ受かったの？」
内定を伝えたら
廉は心底嫌そうな顔をした。
理由は、男だらけの運送会社だから。
「せっかく受かったんだからもう少し喜んでよー」
「えー。だって俺あの会社だけは嫌やってん」
「男だらけだから？私が働くのは事務だって言ってるじゃん。見学行った時も女の人しかいなかったよ？あとはおじさん。ドライバーさんは普段配達に出てて関わる機会なんてめったに無いから」
もう何回もしてきた説明を繰り返すと廉は唇を尖らせた。
「なんでその会社に決めたん？」
「なんでって…
大手は大変そうだし、プレッシャーもあるだろうし、私の性格的に合わないかなと思って。
内定くれた会社はね、見学行った時にみんな気さくに挨拶してくれたの。
それだけで緊張が和らいだ。
面接も重苦しくなくて、笑いながらしたくらいで…。
そういう社風なんだって！
みんなで協力しないいけない職種だから。
夏にはバーベキューとか季節ごとに会社主催のイベントもあるみたいでそれも楽しそうだと思ったし、
それに…」
「それに？」
「定時がきちんと決まってて、休みも確保されてる仕事が良かったの。
廉と会う時間確保したいし」
「……」
「もし、廉が仕事で忙しくても、私の時間が確保されてれば、少しの時間でも会えたりするかなーと思って」
廉は私より先に仕事の内定をもらっていた。
都心にある商社の営業。
上場もしてる一流企業、ましてや営業職だから激務なはず。
「廉、アパート借りるでしょ？
私が行ってご飯作って廉がただいまーって帰ってくるの待ってるのとか、私の方が早く仕事終わればできるじゃん！」
話しながらその光景を想像して思わずニヤけていた。
成人式でも最高だったスーツ姿の廉を社会人になったら毎日見れる…！
見たい…！なーんて下心があるのはここだけの話。
廉は俯いたままおでこに手を当てて黙ってしまった。
やっぱり嫌なものは嫌なのかな…
でも、、よくよく考えてみたら、廉の方が女の人と関わる機会は多い！！絶対！！！
折れるわけにいかなくて、
廉の真似をしてダンマリを決め込んだら、
「…そんなん言われたらさぁ…あーもう！」
廉はようやく納得した。
「声かけられてもついて行くなよ？
ご飯奢ったるーとか罠やからな？」
そう言って廉は念押ししてきたけど、心配しすぎ。
私には廉しかいないんだから。
廉の方こそ、心配だよ。
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こころ(プロフ) - 切なすぎて読むのが辛かなってきました…でも希望を捨てずに読みたいと思います(^ ^) (2021年5月28日 17時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 更新嬉しいです！この先も楽しみにしています。紫耀くんの恋心が報われますように。 (2021年5月16日 3時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - ピナパルさん» 本当ですか！？なら良かったです^ ^話はそれますがこのお話大好きです！！めちゃくちゃいい話できゅんきゅんします！！お互いに更新頑張りましょ！！ (2021年3月14日 8時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
ピナパル(プロフ) - そらぃさん» はじめまして。まったく気にしていないので謝っていただく必要ありませんよ！むしろわざわざ教えていただいてこちらこそ申し訳ありません>_<どうか気になさらず更新頑張ってください！(明るく言える立場じゃないのですが…) (2021年3月13日 16時) (レス) id: 9e85fabcef (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - 本当に申し訳ございません（涙）小説を私書いてるのですが、そのタイトルが桜が舞う季節になんですけどピナパルさんのこの小説とタイトルが似てしまっていて、、大変申し訳ないです…気付きませんでした。。差し支えがなければこのままにしますが…よろしいですか？ (2021年3月13日 13時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2019年12月29日 8時
