夜の会社 ページ26
どうしようか迷ったけど、財布を取りに会社に行くことにした。
雨に気を取られて鞄の中身を確認せずに帰るからこういうことになるんだ。
時間にして夜８時。
ジーンズにTシャツ。
外に出れる格好に着替えスマホだけ持ち部屋に鍵を掛けると、傘をさして会社に向かった。
鍵閉め当番のドライバーさんがまだ帰ってないことを願いながら雨の中を歩く。
雨は降ってるけどほんの小ぶり。
このまま止んでくれたらいいのだけれど。
会社まではアパートから歩いて10分ほど。
一緒に部屋を探しているとき、
廉が、通勤の安全を考えて会社から近いアパートを見つけてくれた。
その代わり自分は電車とバスを乗り継いで出勤しなければいけないのに。
『運動になるからええよ！』
なんて廉は言ってくれたけど、残業が続く中遠い道のりを帰ってくることを考えると申し訳ない気持ちになる。
結婚式が終わったら引っ越すことを提案してみようかな。
マンション購入を考えてみるのもアリかも。
子供ができたら今の部屋の広さじゃ手狭になるし、私が仕事を休む間に頑張って働くのは廉なんだから、廉が働きやすいようにしてあげたい。
今度の休みにでも一緒に調べて資料請求してみよ！
また、先の楽しみが増えた。
雨の道もワクワクしながら歩くと目的に着くのもあっという間。
会社に着くと、人気が無く防犯灯が点いているのみで事務室の電気は消えていた。
「やっぱり人いないかなぁ…」
祈るような気持ちで会社入り口のドアを引っ張ってみると、なんと開いた。
まだ誰かいるんだ！！
一気にテンションが上がる。
財布を持って帰れる！
早歩きで事務室へ行き、電気を点けて
自分の机の引き出しを開くと、やっぱり財布が入っていた。
「良かったぁ…」
財布をおでこに当て
安心して息をついたそのとき、
「仁村さん…？」
いきなり名前を呼ばれて心臓が跳ね上がった。
この、ハスキーボイスは…
まさかと思い見ると、
事務室の入り口に紫耀くんが立っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 774人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こころ(プロフ) - 切なすぎて読むのが辛かなってきました…でも希望を捨てずに読みたいと思います(^ ^) (2021年5月28日 17時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 更新嬉しいです！この先も楽しみにしています。紫耀くんの恋心が報われますように。 (2021年5月16日 3時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - ピナパルさん» 本当ですか！？なら良かったです^ ^話はそれますがこのお話大好きです！！めちゃくちゃいい話できゅんきゅんします！！お互いに更新頑張りましょ！！ (2021年3月14日 8時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
ピナパル(プロフ) - そらぃさん» はじめまして。まったく気にしていないので謝っていただく必要ありませんよ！むしろわざわざ教えていただいてこちらこそ申し訳ありません>_<どうか気になさらず更新頑張ってください！(明るく言える立場じゃないのですが…) (2021年3月13日 16時) (レス) id: 9e85fabcef (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - 本当に申し訳ございません（涙）小説を私書いてるのですが、そのタイトルが桜が舞う季節になんですけどピナパルさんのこの小説とタイトルが似てしまっていて、、大変申し訳ないです…気付きませんでした。。差し支えがなければこのままにしますが…よろしいですか？ (2021年3月13日 13時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピナパル
| 作成日時：2019年12月29日 8時
