夏の終わり３ ページ14
紫耀くんと話しながら、拠点にしている海の家に向かって歩いていると、神宮寺くんが物凄く嬉しそうな顔をして走ってきた。
「平野ー！あの女の子達がお前と話したいって！」
神宮寺くんの指差した先に、モデルさんかと見紛うほどにビキニを着こなしたスタイル抜群の女子軍団がいた。
さっき最前列でビーチバレーを見ていた子達だ。
「さっきの俺ら、カッコよかったらしいぜ？」
女子達はこちらを見ながら何やら盛り上がってる。
キャーあのイケメンこっち見てくれたー
やばーいやっぱかっこいいー
そんな声が聞こえてくるよう。
自分たちから声かけるなんて相当な自信家だ。
今にも飛び立ちそうなほど浮足立ってる神宮寺くんとは対照的に紫耀くんは心底嫌そうな顔をして女の子達から目をそらした。
泣きそうな声に泣きそうな顔。なんだか前に見たことがあるような……。
「俺、人見知りだから初対面の人と話すの苦手なんだよー。あの人たちなんか怖いし」
「えー！呼んでくるって言っちゃったんだよ！頼むから行こうぜ！」
「無理！無理無理！」
紫耀くんは細かく何度も首を振ると私の陰に隠れるように縮こまった。
分かりやすいほどの拒否ぶりに神宮寺くんも諦めたらしく、失望を思い切り表情に出してため息をつく。
「お前なぁーせっかくあんっな高スペック女子が声かけてくれてるってのにもったいない。
はぁ、仕方ない。
仁村が彼女ってことにしてうまく言っとくわ」
「はい！？なんでそうなるの！？」
「彼女いるってのが一番諦めつくだろ？ここだけの話だからそーゆーことにしといて！」
神宮寺くんは私に向かって両手を合わせて拝むようなポーズをとると走って行ってしまった。
彼の目にはもう女の子達しか映ってない。
「ごめん…仁村さん…」
呆然としていると、隣から紫耀くんがおずおずと顔を覗き込んできた。
「ううん！ここだけの話だから大丈夫だよ！」
「申し訳ない…」
「大丈夫だから！紫耀くんの拒否っぷりが面白かったよ」
先ほどの怯える子犬のような目をしていた紫耀くんを思い出して笑ってしまうと、紫耀くんはきまりが悪そうに頭をかいた。
「諦めてくれるといいね」
「うん…」
女の子達の視線から逃れるように、
自然と早足になる。
紫耀くんの彼女のフリ…。
廉に言えないことがまたひとつ増えた。
なんで…言えないと思ってしまうんだろう。
言ってはいけないと思ってしまうんだろう。
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こころ(プロフ) - 切なすぎて読むのが辛かなってきました…でも希望を捨てずに読みたいと思います(^ ^) (2021年5月28日 17時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 更新嬉しいです！この先も楽しみにしています。紫耀くんの恋心が報われますように。 (2021年5月16日 3時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - ピナパルさん» 本当ですか！？なら良かったです^ ^話はそれますがこのお話大好きです！！めちゃくちゃいい話できゅんきゅんします！！お互いに更新頑張りましょ！！ (2021年3月14日 8時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
ピナパル(プロフ) - そらぃさん» はじめまして。まったく気にしていないので謝っていただく必要ありませんよ！むしろわざわざ教えていただいてこちらこそ申し訳ありません>_<どうか気になさらず更新頑張ってください！(明るく言える立場じゃないのですが…) (2021年3月13日 16時) (レス) id: 9e85fabcef (このIDを非表示/違反報告)
そらぃ(プロフ) - 本当に申し訳ございません（涙）小説を私書いてるのですが、そのタイトルが桜が舞う季節になんですけどピナパルさんのこの小説とタイトルが似てしまっていて、、大変申し訳ないです…気付きませんでした。。差し支えがなければこのままにしますが…よろしいですか？ (2021年3月13日 13時) (レス) id: 65c9099209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2019年12月29日 8時
