ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ８*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･

パパと呼ばれる日５ ページ8

「ももか！あとでお散歩行こっか？」

「うん！いま行こー！」



保育園から帰ってきたももかをお散歩に誘うと、ももかはカバンを床に放り出し俺の手を引っ張った。

すっげー可愛いけど、、


「ももか！カバンのお片付けは？」

「あとでやるー！」

「本当に？今やっといたら？」

「やだー！お散歩行くのー！」


ももかは俺の手を離すと今しがた脱いだばかりの靴を再び履き出す。
散歩でもなんでも、ももかは一度やると決めたらやらないと気が済まないタイプ。俺とそっくりだ。


「ももちゃん」


Aの声にももかはピタリと動きを止めて振り返った。
Aはももかの傍に膝をつくと顔をじっと見つめる。


「おうち帰ってきたらちゃんとお片付けする？」

「する」

「お約束ね？」

「うん」


頷くももかににっこり微笑んで見せると、Aは俺に向かって頷いた。
Aの言うことなら聞く。それも俺と同じ。


「ママー！お土産持ってくるねー！」

「はーい。楽しみにしてるよー気をつけてねー」

「いってきまーす！」


玄関先で
Aに見送られ歩き出すと、ももかは何も言わずに俺の手を握ってきたから握り返した。弱く握ってみてるけど痛くないだろうか。



「今日保育園なにしたの？」

「おえかき！あと給食！」

「何書いたの？」

「おいも！収穫したんだよー！」

「へー！そんなことやらせてもらえるんだ！」

「今度持って帰るんだってー！ママにお料理してもらうよ！」

「何作ってもらう？」

「えーっとねー！スイートポテトと、おいものチーズケーキと、おいもパンと、でも焼き芋もたべたいなーどーしよー？」

「どうしようね？一番食べたいのは？」

「ぜんぶー！」

「ははっ！欲張りだなー」

「しょうくんは食べたいのあるー？」

「ぜんぶー！」

「よくばりだなー！」




ももかは満面の笑顔になって俺の手をギュッと握りしめてブンブンと振った。


山に囲まれた田んぼの畦道を歩きながら、
手を繋いで交わす他愛無い会話がとてつもなく愛おしい。

もしかしたら…永遠に知らずにいたかもしれない時間。

そう思ったら、今過ごしている時間の一瞬一瞬が宝物に思えて、

夕陽に照らされたももかの横顔を見つめながら、

握りしめた手の温もりを噛み締めた。

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