やさしい世界２ ページ3
「不思議なんだよ。
キッツイし、しんどいし、嫌になるときもあるけどね、、
ずっと嬉しいの。
紫耀くんとの赤ちゃん、ももちゃんの弟くんか妹ちゃんが私の中で育ってると思うと、自分が辛いのどうでよくなっちゃって。
しんどければしんどいほど、赤ちゃんがんばれーみんなで待ってるよーって思うの」
俺の手の甲に自分の手のひらを重ねて、Aが心底嬉しそうに微笑むから、
その姿に鼻の奥が熱くなる。
…ももかの時も、同じだったのかな。
こうやって、不安や孤独を先にある希望に目を向けて前向きになって乗り越えてきたのかな。
「それに…」
Aの声が、微かに震える。
手の甲にギュッと力が加わった。
「今度は、紫耀くんにそばにいてもらえる…だから充分。本当に充分。すっごく幸せ」
西日に照らされて、Aの目元が光っていた。
「…A……」
どうしようもないくらい溢れ出した愛しさにたまらずAを引き寄せ抱きしめた。
Aの手が背中に触れ、互いのぬくもりを分け合う形となり、より愛しさが込み上げてくる。
染み入るようにじんわりと胸の中に広がるぬくもりは、きっと、幸せの正体。
夕暮れどきのひだまりも、外から聞こえてくる風の音も、その全てがあったかくて、優しい。
「紫耀くんあったかーい…」
耳元で囁く声。
あぁ、もう……
なんだろう、このやさしい空間、やさしい世界は。
また鼻の奥が熱くなってきたよ。
ひとりでいたままだったら知らずにいたであろう、
当たり前じゃない世界。
「…一緒にいられて、幸せだね」
「……うん…」
首に腕が周り、Aは俺を抱きすくめた。
Aは、これで充分頼ってるつもりなんだろう。
何もかも自分で決めて、自分の責任で生きてきた。
今もその決意を果たす中で、Aにとって俺は心の支えとなっている。
もっと分かりやすく頼って欲しい、甘えて欲しいと欲が出てしまうけど、、
Aはできないんだ。
なら、求めないこともAを楽にしてあげる方法なのかもしれない。
贅沢言うのはやめよう。
やっと見つけたやさしい世界で、
同じ屋根の下で暮らし、新しい命の誕生を待っている。
充分だ。
充分すぎるほど、幸せだ。
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メープル(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！ (8月4日 17時) (
レス) @page16 id: ca364df23b (このIDを非表示/違反報告)
おだちゃん(プロフ) - 永瀬くんのお話楽しみにしてます♡ (2023年3月13日 9時) (レス) @page15 id: ab51813c38 (このIDを非表示/違反報告)
たそ(プロフ) - 他界隈ですがたまたま見かけてオールして全部見させて頂きました。今までジャニーズとは無関係でしたが読む手が止まらないくらいの神作品です！これからも応援しています！！ (2023年1月8日 8時) (レス) id: f8f3836cb6 (このIDを非表示/違反報告)
おだちゃん(プロフ) - このお話の大ファンです♡また読むことができて嬉しいです！更新ありがとうございます！！ (2022年10月9日 8時) (レス) @page13 id: ab51813c38 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - ピナパルさんのお話好きです。桜の〜の方もハマっていたので、更新楽しみにしてます！！ (2022年3月4日 1時) (レス) @page7 id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2022年2月10日 1時
