ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ８*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･

One Last Kiss２ ページ16

「東京支社から配属になった樫村です。
よろしくお願い致します」


「はじめまして、永瀬です。
こちらこそよろしくお願いします」


丁寧に腰を折り名刺を差し出してきたその人に私は面食らった。


尋常じゃなく顔が整ってるところとか、
モデル並みのスタイルでスーツ着こなしてるところとか、
気になるところだらけなんだけど、それよりも、、


東京から転勤してきた大阪で配属された企画部の村上部長が紹介してきたのは、生産管理部の永瀬主任…だったはず。



「…アメリカンホリック…岩橋さん…？」


受け取った名刺の文字を読み上げると、カバっと顔を上げた永瀬さんは光の速さで私の手から名刺を奪い取り新しい名刺を差し出した。


「すみません、これはさっき取引先の人からもらったやつで…。正しいのはこっちですこっち。
はー、俺疲れてるわー」


私が名刺を受け取ると自分の肩を叩き自嘲気味に笑った永瀬さん。
ソフトな関西弁のニュアンスも相まって緊張がほぐれつられて笑ってしまい、慌てて唇を固く結ぶと、永瀬さんは白い歯を見せて笑った。


「緊張せんでええよ。ここは上司部下関係なくみんなフレンドリーな関係でやってるから。
ね！村上さん」


私の隣にいた村上部長は永瀬さんに水を向けられると腰に手を当ておーおーおーと大きくうなづいた。


「そうやな！けどお前はもう少し上司に対する態度を考えた方が良いと思うで？」

「いやぁーそんなら村上さんにもうちょっと威厳を兼ね備えてもらわんと無理っすわー！」

「そういうとこや！」


周りにいた社員から笑いが起きる。



和やかな雰囲気に
以前からこの部署にいたような、
受け入れてもらえてるような気分になった。


私の直属の上司、永瀬主任の第一印象

良い上司っぽい。
人気者っぽい。
天然なフシがあるっぽい。


……まだまだ未知数だけど、安心感の方が大きい。


うまく…やっていけるといいな。

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