ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ２*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ9)

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心の扉２ーRen ページ9

安永さんはあのあと何事もなかったかのように働いていた。

大丈夫なんかな…？

気になって、安永さんが退勤したあと、控え室に行ってみた。

ドアのガラスから、後ろ姿が見える。

ドアを開けると、クルッと振り返って、ニコッとする安永さん。

「あ、永瀬くん、おつかれー。上がり？」

「いや、あと少しあるんすけど、、あの、大丈夫っすか？」

「ん？あー！大丈夫だよ！慣れてるし！」

「…本当に？」

「うん！どうしたら納得してくれるのか迷ってたところに店長来てくれたからラッキーだった！ごめんねー！心配かけて！」

いつものようにニコニコして、少し申し訳なさそうにしてる。

……嘘やろ。だって、、、

「じゃあ、あと少し頑張ってね！お先ー…！！」

思わず、言葉より先に、安永さんの手を掴んでいた。

「ほんまに大丈夫なん…？」

だって、、後ろ姿、肩、、震えてたやん…。

安永さんが俺を見つめた顔は、明らかに戸惑っていた。
けど、息を飲んで、すぐに口角を上げて、俺の手を優しく外すと、

「本当に大丈夫。永瀬くんまで、心配性だなー
」

「あ、すんません、俺…」

「心配かけちゃってごめんね！じゃあ、お先に！」

言おうとした言葉を遮って、帰ってしまった。

しまったなぁ。。気持ちより行動が先走ってしまった。

けど、、

大丈夫なんて、絶対嘘。
…少しは本音、言ってくれたらいいのに。

なんで、安永さんは、いつも、人に頼ろうとしないんやろ。

仕事でも、人のことは手伝うのに、自分の仕事は悪いからって言って人に手伝わせずに全部自分でやろうとする。

飲み会の愚痴も、聞き役ばかりで自分は言わへん。

あの人、誰に弱音を吐くんやろか。

誰に、心の扉を開いてるんやろうか。

…あぁ、そっか彼氏がいたか。

彼氏に、、言えてるといいな。