花火大会２ーRen ページ34
「お似合いて…笑」
「なぁーんで笑うの？
けっこう本気だよ？」
思わず立ち止まって、メグミちゃんの顔を見ると、顔が赤くなってる。
「このあいだ、、抜け出すの断られたときから、ずっと、、廉くんのことばっかり考えてたんだから、、」
顔を伏せて、恥ずかしそうに話すメグミちゃんが、、可愛く見える。
遊び慣れてると思ってたけど、
この子、こんな顔するんやな。
「だから、、どうかな？」
立ち止まってる俺たち。
人混みの中、顕嵐たちはどんどん先に進んでしまっていた。
「どうって、言われても、、。
いきなりは、難しいわ」
「じゃあ！友達からでどう？私を、知ってほしいっていうか、、」
なんや、やっぱりグイグイくるなぁ、、。
友達からか…。
そういうのも、アリなんかな。。
そう思ったとき。
「あれ！？永瀬くんじゃん！？」
聞き慣れた声がして、声の方を見ると、
浴衣姿の
坂田さんと、安永さんが、驚いた顔をして立っていた。
思わず、安永さんを見つめる。
水色の浴衣姿に、小顔が際立つおだんご頭。
いつもと全然違う。
リップも濃いめやし。
めっっっちゃ、可愛い。。
俺と、赤い顔したメグミちゃんを交互に見てるふたり。
あ、これ、勘違いされてるパターンや。
「廉くん…誰？」
怪訝そうな顔してるメグミちゃん。
「あ、バイト先の先輩たち。来てたんすね」
「そーそー。ねぇ！安永さん見て！私がヘアメイクしたんだよー！可愛くない？」
坂田さんは、興奮気味に安永さんの肩をつかんで、俺の前に出した。
ヤバ…近くに来るとさらに可愛いのが分かって、ドキドキする。
「あ、か、、似合ってます…」
それだけいうのが精一杯。
自分の顔が赤くなってないか、心配で仕方ない。
「ありがとう」
そう言った、安永さんの顔は、
笑顔やけど、暗く沈んでいた瞳をしていた。
ドキドキしていた心臓が、急に落ち着きを取り戻す。
「じゃ、邪魔してごめんねー！私たち行くからー！」
ふたりは行ってしまって、メグミちゃんとふたひ、残されたあとも、安永さんの顔が頭から離れない。
あんな顔、初めて見た。
なんかあったんやろか。
どうしたんやろ。。
「ねぇ、廉くん。顕嵐くんたちと合流しよ」
メグミちゃんの言葉でハッとなって、
人混みの中、顕嵐たちを追った。
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2017年4月18日 23時
